【首都空爆、民間人死傷者多数】ウクライナの敗北は、米国・欧州を含む戦後世界の敗北。日本にとっては厳しい状況に。

中東情勢のせいだと言うのは容易い。米国を始めとする欧米各国の興味も、そして兵器を含む支援もウクライナから手薄になった。私も影響はあったと思う、皆様も同じではなかろうか。あれもこれもと関連付けすぎれば陰謀論のようにはなってしまうが、ウクライナ侵攻を優位に進めんがために中東に火をつけた可能性まで指摘されている。

さて、日本人にとっては実は無関係ではない。ロシアが勝利を収めるということは、実は米国を含むウクライナが敗北したことになる。ここまではご理解いただけるだろう、しかし「日本を含め、ウクライナが敗北した」形になる可能性にはお気づきだろうか。

我が国は（侵攻を受けた）片方の国家のみを我が国の国会で発言させ、資金および防衛装備の一部を提供した。このことは戦争参加国として扱われる可能性については覚悟すべきだと考える。無論、戦勝国としてロシアが日本に攻め込むなどはないだろうが、日露関係は徹底的に悪化する。

ウクライナ侵攻が”一定の停戦”とされ、クリミアおよび東部がロシアの影響下として新たに国境線がひかれた世界線。それは【力による現状変更を、世界は容認させられた】世界だ。ここで同じフィールドで見て頂きたいことが、台湾有事である。それが武力を伴ったものだとしても、または選挙などを経ての静かなる侵略であったとしても、台湾は我が国にとって生命線であることは疑いない。

いざ台湾で勃発した場合、つまりその場合は敵は中国になるのだけれども、中国と領土を接する「大国ロシア」は我が国を利するべく、CHINAにプレッシャーをかけてはくれはすまい。そもそもロシア軍も相当に疲弊した状態で身動きもとれぬだろう。

つまり台湾有事のみを見据えれば、中国にプレッシャーをかけてくれるのであればロシアも有難い存在だったという主張は、一応は受け止めねばならぬロジックだ。私の立場は、シベリア抑留も含め安易にロシアを信用すべきではないというものだが、中国・ロシアが相互に牽制しあっている状況は悪いものではないとは思う。

また世界に与える影響としては、いかに米国といえども、さらには欧州各国が力を合わせたとしても、二正面作戦は戦えないという現実を示すことになる。つまり紛争地を複数”造りあげること”ができれば、支援は手薄になり手が回らなくなるという前例を作ることになる。言い換えれば、台湾に手を出していいという風潮にもつながる。同じ状況は世界中の紛争の火種にも悪影響を及ぼす。

そして核は、有効だという証明をしてしまうことになるのだろう。私は一人の元技術者として核爆弾を憎む。我が国の国民を焼いた兵器だからだ。そのうえで、国家防衛のためには核が有効だと認めざるを得ない、そのことに悔しさを覚える。

令和５年１２月２９日、ロシアはウクライナに対して１２２発ものミサイルなどを発射。報道によればドローンを含む大規模な攻撃だったとのこと。首都キーウ（キエフ）にも。多くの撃墜には成功するも、多数の民間人が亡くなったという。

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報道の紹介

以下、時事通信より。

ロシア、ウクライナに「最も激しい攻撃」　ミサイル１２２発、２３人死亡

 

　ロシアは２９日、侵攻を続けるウクライナ各地にミサイルやドローンで大規模な攻撃を加えた。首都キーウ（キエフ）などで被害が発生。ウクライナ空軍司令官は通信アプリ「テレグラム」で、昨年２月の侵攻開始以降で「最も激しい空からの攻撃」だったとの見方を示した。

　現地メディアのウクラインスカ・プラウダは、２３人が死亡、子供を含む１３２人が負傷したと報道。ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、ミサイル１２２発とドローン３６機が使われたと明らかにした。ゼレンスキー大統領は、テレグラムで「ロシアは保有する全ての兵器で攻撃してきた。（発射されたミサイルの）大半を撃墜した」と主張した。

　ロイター通信などによると、東部ドニプロペトロウシク州ではショッピングセンターや集合住宅などがミサイルで被弾し、５人が死亡。キーウでは倉庫が攻撃され倒壊し、１人の死亡が確認されたほか、１０人ががれきの下敷きになった。

　黒海に面した南部の港湾都市オデッサでは集合住宅が被弾し、３人が死亡、子供を含む少なくとも１５人が負傷。ポーランド国境に近い西部リビウでも１人が死亡したほか、インフラが打撃を受けた。シュミハリ首相は「敵は重要インフラを標的にしている」と非難。エネルギー省はキーウなど４州で停電が報告されていると明らかにした。

（後略）

 

時事ドットコム

ロシア、ウクライナに「最も激しい攻撃」　ミサイル１２２発、２３人死亡：時事ド...

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023122900622&g=int

ロシアは２９日、侵攻を続けるウクライナ各地にミサイルやドローンで大規模な攻撃を加えた。首都キーウ（キエフ）などで被害が発生。ウクライナ空軍司令官は通信アプリ「テレグラム」で、昨年２月の侵攻開始以降で「最も激しい空からの攻撃」だったとの見方を示した。

ウクライナの敗北も覚悟する必要がある。

私は心情的にもウクライナを支援する立場です。
また政治的な情勢からも、ウクライナ支援をとっています。

その理由は「ウクライナ侵攻を看過した場合」に、台湾有事において世界が参戦してくれるかが未知数だからです。えげつないことを書きますが、台湾海峡が重要なシーレーンというのは我が国の特殊事情です。台湾がどうなろうと関係ない国々は多数ある。厳密に言えば日本と韓国ぐらいのもので、仮に朝鮮半島そのものが侵略されてしまえば（ロシアや中国に併呑）実は陸続きになる。

ウクライナは、欧州のみならず周辺国にとっての重要な穀物輸出国であり、欧州のパン籠とも例えられる。そもそもNATOはロシアに対抗する軍事連合でもあり、周辺各国が総力をあげる体制が整っていた。その状態で「力による現状変更には、断固として、皆で立ちむかう」という世界のほうが、我が国にとって望ましい。そして力による現状変更は、”皆で抑止したのだ”となった世界は、台湾有事に対しての一定のブレーキとなることを期待した。

ゆえに、我が国が相当なリスクを背負ってでもウクライナ支援に乗り出したことは非難されるべきものとは思わない。

だが、これは博打性のあるものだった。
ウクライナが敗戦し、つまり力による現状変更が容認される世界となれば、二度目三度目の支援は手薄になっていく。二度目の、中東。そして三度目が台湾だった場合、各国は自国の防衛に手一杯となり、国軍を派遣することを渋るだろう。無駄だからだ。皆で立ちむかっても無駄だとなるからだ。

過程の話になるが、首都キーウ（キエフ）を含め、多くの国土を維持したまま、ウクライナは主権国家としてNATOに加盟する。しかしクリミアおよび東部についてはロシアの影響下となり、一定の領土を喪失しての”新たな国境線らしきもの”を容認させられ、それをもって平和条約や講和となる。それは、敗北としうて扱われるだろう。

ウクライナが敗北、米国を含む敗北、そして日本を含む敗北だ。
より正確に言えば、「世界が、力に対して敗北した」ことになる。

台湾有事とロシア

台湾に対して武力侵攻が生じたとする。
米国も参戦したと仮定しよう。実は米国が確実に参戦するかは分からない。心のどこかで米軍は動くと思い込んでいるが、私はその部分においても懐疑的だ。

ウクライナにおいてそれなりに備蓄を消費し、中東情勢が長引いた場合、米軍は出撃しない、またはできない可能性も考慮しておくべきだと思う。とはいえ、とりあえず米軍が参戦したとする。

余談になるが、ここを敢えて定義したのには理由があり、空母をもたない我が国は台湾島までたどり着けない可能性がある。迎撃ミサイルは相当に優秀だとは思うけれども、球数には限りがある。またすべてを確実に撃墜できるものでもない。ゆえに飽和攻撃を受ければ、何度目からの攻撃で護衛艦は被弾する。爆撃機などには大量のミサイルも搭載できるのだが、制空戦闘機を飛ばせる状態の海上自衛隊が台湾まで行ける可能性は高くはないと思う。米軍の、特に空母抜きでは台湾島まで行くことはできないというスタンスだ。

そのため前置きをしたのですが、とりあえず米軍は参戦したとする。空母も来たとする。
我が国もシーレーン防衛のため、そして台湾という友人を助けるため参戦したとする。

ここでロシアの動きを考えて欲しい。
中国を、北方からロシアが牽制してくれれば「我々は」助かる。しかしロシアはしないだろう。中国側につくまではいかないにせよ、我が国を利する必要はどこにもない。ウクライナ侵攻において、我が国はロシアの敵対国となったからだ。ロシア兵も死んだ。日本に有利な動きをとることを、ロシアの有権者はロシア政権に求めない。その合理性もない。

もしくはよっぽど有利な条件をロシア側に提案するか、だ。
なんなら台湾海峡に一隻でも多くの護衛艦を展開したいところ、北海道沿岸部で軍事演習ぐらいはしてみせるかもしれない。そうなれば、我が国の海上自衛隊は二正面作戦を強いられることになる。

こうやって考えると、なるほど、確かに中東情勢が与えた影響とは結果として中国を利するものではある。

ウクライナの、中東情勢の勝者は誰か。

ウクライナが敗北した場合、それは世界の敗北だと述べた。
それは国連の敗北とも言えるだろうし、第二次世界大戦後の「世界」の敗北でもある。

では勝者は誰か。

実は、中国だと思っている。
戦争を損得で考えることは避けたいが、メリットとデメリットのみで考えれば、中国側の国益に沿った結果になっていることは一面において事実だ。

台湾の選挙においても影を落とすだろう。
現実を突きつける言い方にはなるが、では全ての香港人が虐殺されたのか？という話になる。反対派を率いた若い女性は国外に亡命せねばなくなったし、命を奪われた香港の方も多数いる。しかし全員が死んだわけではない。相当に自由は制限されることになろうけれども、命を失ったわけではない。

これは台湾においても同様だと思っており、抵抗さえしなければ死ぬのは一部だという考えを持つ方もいるだろう。台湾以上に、日本はどうなのか。日本は、もっとひどいかもしれない。命を懸けて身命を賭して国家のために戦う日本人がどれほどいるだろうか。

世界のルールを破れば、世界が立ち向かう。
これは一定の抑止力を持っていたはずだった。
かつてアメリカが世界の警察を標榜していた時代においては。
それが常識だったはずなのだ。

しかし核保有国が行った暴虐には、核を持たぬ国は抵抗することなく、力による現状変更を受け入れざるを得ないというのが、新たな常識になってしまう。

良いことのわけがない。
しかし、願うだけでは暴力には立ち向かえない。
いずれによ今の世界の枠組み、つまり国連体制には限界が来ていることを世界は知るのだろう。

それは新たな紛争の火種を大量に誕生させることだとしても。

ウクライナ、頑張れ！

「がんばれ」と声援は送る。
それ以上のことは私には、職権上はできない。

ウクライナに直接送るわけではないが、ウクライナに武器支援を行っている国家に対しても、我が国は防衛装備を販売できるようになったようだ。我が国から輸出を受けた国は、さらにウクライナに兵器をまわすことができるようになる。

間接的に、我が国も武器支援を行っている格好になることをロシアが吠えていた。吠えても、何を言おうとも、侵攻したのはロシアではないか！と感じるだろう。私もそう思う。

が、台湾有事を現実的に考えた場合、このロシアの動きは考慮しておくべきものではあり、少なくとも我が国を利する動きは当面の間とらないだろう。

だから、言う。
我が国の国益のために述べる。

ウクライナ、頑張れ、と。
物凄くワガママな理由で述べる、勝ってくれ、と。

現在（令和５年１２月）進行中の最優先政策です。僅か６ページの漫画を含む資料集積用の特設ページです。是非お読みください。

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小坪しんやのHP|行橋市議会議員

外国人のみ許された年金の脱退一時金が生活保護の増加要因となる実態

https://samurai20.jp/jisseki/pension

  　概要を初めて知る方は「政策資料漫画①」からお読みください。文章による制度概要については”地方議員の先輩方へ。意見書採択の支援要請”をご覧ください。また「政策資料漫画②」については送料・印刷費の都合から議会に配布できなかったものですが、別の角度から論じた作品となっておりますので是非ご覧いただけると幸いです。採択済地方議会のデータ整理、および各議会の対応状況を更新していきます。　最新情報についてはblog機能（本HP）にて公開していきますのでよければトップページのブックマークをお願いします。&...

国家を守るという強い意志を、国民それぞれがもたねば主権を守ることはできない。

しかし愛国心だけでは、気合だけでは国家防衛は同じくできはしない。

兵器も必要、弾薬を含む兵站も重要。

かつ、友好国との距離感を含めた、外交関係だって重要なのだ。

遠く離れた欧州の戦争、実は自国にとっても関係がある可能性がある、

テレビの向こうの、まるで映画みたいなシーンではなく、

いつか現実的に私たちも体感させられてしまうかもしれない、

そういう危機感をもって報道に接したい。

我が国は、我が国の主権を守るため、また平穏のためにも決断すべきことが多数あると思う。

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