平成25年度3月議会(2)

 それでは、次の質問に入ります。振興地場産業への取り扱いについてであります。

 これに関しては、少し私は怒っております。違うんじゃないかなという思いから、いつもは執行部と建設的に話し合ってというスタンスを強くとっておりますが、あまりにも酷いんじゃないかというふうに考えております。

 通告どおりに定型でお伺いしますが、質問内容は、私が一般質問で取り上げるまで、下記事案について把握していなかったことが事前通告のやり取りで明らかとなっております。また、近隣自治体の導入状況についてお伺いしますが、苅田町ではパンフレットとして使用された企業をはじめ、町長以下サポートをしていることも把握しております。ですから、当初の導入予定が恐らくはないだろうことも分かっております。その上で、事前通告は定型ですから、お伺いさせて頂きます。

 水銀灯に代わる新しい電灯の開発成功について。また近隣自治体の導入状況について、当市における導入予定について、お伺いします。

○議長 城戸好光君

 八並市長。

○市長 八並康一君

 小坪議員の水銀灯に関連するものについて、ご質問を頂きました。議員がご指摘をされました内容でございます。これらについて、様々なエネルギー関係、いま皆さん、苦労しています。その中で、新しいものをどういうふうに作っていくかということと、どういうふうに販売していくかと、だいぶん苦労されてきております。これに関連して、私どもは、ちょっと内容的にも理解できないところもあったんですけど、掴んだものについて、お答え申し上げたいと思います。

 無電極ランプというふうに言いますが、正式名称はプラズマ無電極放電ランプでございます。日本国内では1990年に実用化されたというふうにお聞きをいたしております。水銀灯とかLED照明など、他の光源に比べて寿命が長くて、省エネで身体とか環境にやさしいというふうに言われています。特に道路やトンネル、それから天井の高い工場など、照明交換が困難な環境にある施設に設置をされています。

 現在、中国が無電極ランプの研究開発で世界をリードしています。生産量とか輸出量、いずれも世界一でございます。世界の90%の無電極ランプを中国企業が生産いたしております。今年1月13日にジュネーブで開催されました水銀条約政府間交渉委員会第5回会合におきまして、合意された条約案では、2020年までに水銀を一定以上含む蛍光灯などの製造と輸出入を原則禁止とされましたことから、今後は水銀灯に代わる無電極ランプの普及が進む可能性があると考えております。

 また、地域の近隣の自治体のことについても、ご質問がございました。これは担当部長のほうからお答え申し上げます。

○議長 城戸好光君

 産業振興部長。

○産業振興部長 灰田利明君

 小坪議員のご質問に、お答えいたします。振興産業ということで、近隣の導入状況でございます。先日、苅田町の交通商工課に問い合わせをいたしました。新興産業について、どのようにしているかということで問い合わせをいたしましたところ、企業のほうから販売拡大をしてほしいと、そういう相談を受けたところにつきましては、地元のベンチャー企業の支援の観点から、企業訪問をする際などに、製品の紹介を行っているとのことでございました。現在、2社の企業が工場とか倉庫の照明に使用しているとのことでございます。以上でございます。

○議長 城戸好光君

 小坪議員。

○1番 小坪慎也君

 ここの部分で、なぜ私が最初に怒りという言葉からスタートしたかであります。

 製品開発は楽ではありません。行橋市の、今もう本社は苅田に置かれていますが、工場は行橋市にありますけど、社長さんというか、やっておられる方は、行橋の方です。この方は一級建築士で普通の建築会社をされていました。面白いんじゃないかなということで手を出されたと伺っています。そこだけ聞くと、私なんかは無謀だなと思います。なぜなら製品設計を実際にやっていたからです。認証フロー、そして品質保証、ちゃんと長時間もつこと。市長がおっしゃったように、殆どが中国シェアなんです。ですから無電極ランプというものは、輸入代理店はあっても国内で設計、生産、製造をやる業者は、恐らくこの行橋の業者のみです。

 また、いま水銀条約についても触れて頂きましたが、これは様々なものがありまして、現在、一番新しいものですと、平成25年、今年の1月21日、日本国、次は熊本で10月に国際会議がありますから、ここで水俣条約という名前で施行というか締結予定なんですが、これに関しての外務省の水銀条約政府間交渉委員会第5回会合、概要が外務省ホームページにありましたので、3章4節について、抜粋させて頂きます。

 その中身、全文は、4節は、水銀含有製品・水銀使用製造プロセスについては、電池、一定含有量以上の照明器具、体温計、血圧計等の猶予期間後の製造・輸出入を禁止。重要なのはここの部分です。一定含有量以上の照明器具、水銀灯が駄目になる可能性があるんです。水銀灯が駄目になった場合は、危ないものが少ないもの、無電極ランプもゼロではないんですが、恐らく基準をクリアできるだろうと、そういうことで、この水俣条約をクリアしない限りは、どの工場も生産ができないし、輸出ができないんです。ですから水銀灯に代わる新しい電気は、いま物すごい引き合いがあるんです。これは、これは知っておいて頂きたい内容だったんです。

 議会では、新しい情報かもしれない。しかし企業を誘致して、今グローバルといって様々な輸出入がある、その中で、RoHSローズ、ISO、そしてさまざまな指令があります。有名なものだとPSEマーク、ローズ指令、それらをクリアしないと設計、生産、製造ができないんです。工場では、実務者では当たり前なんです。1つでも雇用をつくって1人でも多くの行橋市の若者に仕事を与えて、結婚してもらって、子どもにおもちゃを買ってやって、それで、このまちにずっと住んでもらおうと、皆で言うてるんじゃないんですか。はっきり言いますよ。知っていないといけないことを知らなかったから、苅田に本社工場を取られて、町長以下、北九州空港に導入してもらえないかと北九州市に働きかけて、行橋の人が作ったのに。

 恐らく本当に大ヒットしたら松下とかパナソニックとか、いろんなところが入ってきて、大手がバーンとやって、取られちゃうと思うんです。ただしメンテで設備補修で何度も出ますから、最初にシェアを取れば、それなりに継続した雇用が見込めると思うんです。10人かもしれない、20人かもしれない。でもそれは10世帯の、20世帯のお父さんの、お母さんの、子どもにとっての親の生活を支える仕事じゃないんですか。これをこのご時世において、グローバルと言って企業を誘致するというときに、いま物すごく注目を集めている国際条約に絡む新製品について、隣のまちに結果的に出し抜かれたような形になって、私は、とても悔しいです。だから一番最初に、この件だけは、どうしても許せないと言ったんです。もっと技術のことと工場のことを、私ももう引退して5年ですから、最新の知識じゃありませんけど、勉強して下さい。これはお願いです。以上です。

○議長 城戸好光君

 八並市長。

○市長 八並康一君

 小坪議員の熱い思いを込めてのご質問に、お答え申し上げたいと思います。

 企業誘致というのは、非常に難しい面がございまして、勿論、行橋市の企業立地課、あるいは私どもも、直接、東京とか愛知とか大阪等に出向いていって、いろいろと誘致をしてきます。現実に地元で動いている方々がどういう動きをしているか。キャッチをする場合もあるし、なかなかキャッチできないこともあります。今回の件については、議員の思いでは、もっとしっかり行橋市でキャッチをして、それが行橋に企業として立地をするようにという思いを持っておられると思いますけども、その熱い思いは、私どもとしても大切にさせて頂きたいと思っています。

 企業の進出の仕方というのは、苅田からこちらにお見えになる方もいますし、田川からこちらに来る方もいます。あるいはそれ以外の所からも沢山お見えになっています。そういう方々が今回は苅田に行って活動されているという、そういうお話だと思いますけども、それはそれとして、この企業がしっかりこれからも努力頂いて、新しいエネルギーとして開発をし、それを広げていくために、いろんな面でお話を聞きながら、努力もしていきたいと思っています。ただ、なかなか難しいものがございまして、全く分からないところに突然飛び込んでいって、どうですかという話はし難いところもありますけども、是非頑張って頂きたいと思います。

 それから、地元の企業の方も、こういうふうにしたいということについては、私や副市長や関係する部長等に、お見え頂いて、こういう事業をやっています、この事業について、是非広めて頂きたいとか、あるいはいろんな所に啓発をして頂きたい、いろんなことで来られます。そういうところから来られた方々については、機会を捉えて、いろんな企業にも話をさせて頂いています。そういう努力は、これからも続けていきたいと思います。今回の議員の熱い思いの中からの気持ちについては、しっかり大事にさせて頂きたいと思っていますが、行橋の企業が苅田に行って頑張っておられる、その本当に懸命な努力については、私どもとしても感謝申し上げたいと思いますし、是非頑張って頂きたいと思っています。行橋の中でも、是非またいろんなお話を聞かせて頂ければと思っています。以上です。

○議長 城戸好光君

 小坪議員。

○1番 小坪慎也君

 これはもう再質問がありませんので、まとめですが、私は、企業をサポートではなく、今回、国際条約に絡むような、恐らく国内生産では初じゃないかというものを、びっくりしたんですが、一級建築士だということで、金型が作れるので自分で作ってしまった。生産認証等の取り方が分からなくて、困っていて、いまPSEマークとか認証のところで止まっていたので、本当はこれは行政がやるべきだと思うんですが、昔知っていた外注の工場とか設計派遣を知っていたので、すぐ入ったら皆びっくりしたんですが、殆ど素人同然でワアワアワアワア言う間に1年かけてできてしまった。スマッシュヒットですよ。凄いサクセスストーリーなんです。最終的には大手にやられるかもしれないけど、そのサポートを行政にしてほしかった。ベンチャー企業のサポートじゃなく、企業に来て下さいという言う以上は、企業を取り巻く、様々な国際条約、製造の条件、状況を技術的な見地とか、そういうのはいいんですけど、せめてどういうルールがあるとか、ISOの基本くらいは知って頂きたかった。それをもし把握されていれば、聞き逃すような話しじゃなくて、びっくりするような話しだったと思います。基礎的な知識が欠けていた、僕はそう感じたから、とても悲しく思いました。

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