【鴻海vsシャープ】CHINAに外交的に勝利する方法

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外交とは調整の連続であるが、この評価基準は様々だ。
まずもって「絶対に譲れない国益」、仮にCHINAの単語を用いるならば「革新的利益」を守る必要がある。

そして譲れるものは譲り、それを対価として何かを得て行く。
一局面において敗北だからといって、それのみをもって敗北ということもできない。
ゆえに評価方法とは極めて難しい。

さて、鴻海の一件であるが、「対CHINA」で見た場合の外交的な勝利とも言える。
「勝利とも言える」という言い方で察して頂きたいが、半分は嫌味であったり愚痴でもある。
とは言え「半分は、本当に勝利」と思っている私もいるのだ。

シャープは、CHINAに勝ったのだ。

 

 

 

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対CHINAに外交上の勝利を納めるということ
何をもって勝利というべきか。
この条件から示したい。

答えはシンプルだ。
「CHINAの思惑通りにいかなかった」という点である。

シャープの経営陣は無茶苦茶であった。
申し訳ないが、本当に無茶苦茶だと思う。
後半の経営方法もひどいものだし、大企業とも思えぬ脱法行為もあった。

例えば資本金を99%以上も減資。
このあたりの説明は詳しいサイトに譲るが、驚いたのは「中小企業」となるということ。
世界中に名前がとどろくシャープとは言え、資本金を原資すれば扱いは中小企業となる。

ピンとこない方も多いかもしれないが、実は税制が異なる。
中小企業ゆえの「優遇税制」がそこにはあるのだ。
これは、私は脱法行為だと感じた。

そのような「プライドも何も捨てた」動きをしたものの、結果としてシャープは「あのような状況」に陥った。
鴻海は明らかにCHINAサイドの企業であろう、ネットでも多くの指摘がされているが私も同じ認識だ。

日本の技術、これがCHINA側にわたる。
多くの製造業が困ることとなり、国力は低下していく。
国民全体の損失と言っても過言ではない。

日本からも様々なメニューが提示された。
しかし「自らの身がかわいい者」たちは、それを蹴る。
責任も取らず、自らの安寧のみを祈った。

ここに怒りを感じる方もいるだろう。
私はその一人だ。
しかし、それはそれで正しいのかもしれない。
貴方が同じ立場の場合、「国家全体の利益」や、もっと易しい言葉で言えば「みんなのため」に諦めることはできるだろうか。

何千万円という役員報酬があったとして、それが無収入になる。
老後のことなり、社会的な地位なりがあったとして、それが無に帰すとしよう。
貴方が「自分だったら」諦めがつくのか。

答えは、この場では触れまい。
触れずとも話を進めることができるからだ。

さて。
このような「弱み」がある場合、それは「外交上の弱点」となる。

ゆえに私は「負けるだろうな」と思っていた。
シャープと鴻海の一件、またしても日本は負けるのだろう、と。
なぜなら「つかれる弱点」があったからだ。

私にもわかるぐらいだから、相手にも当然わかる。
であるならば、外交上の敗北は目に見えていた。

 

私の予想は、外れた。
結果的にではあるが、CHINAに対して勝利を納めている。
嫌味でもあるし、愚痴でもあるのだが、結果的には勝利には違いない。

 

 

 

ワガママなほうが勝つ
鴻海と手を結ぶにあたり、いくつかの条件が出されたと思う。
記憶を辿って書いているため、以下には誤りもあるかも知れない。
とは言え話の本筋から言えば余り関係ないため、もし誤りがあればコメント欄で訂正して頂きたい。

・役員はこのままで
・技術は日本に残せ
・工場は日本のままで閉鎖はダメ

他にも色々とあったと思うが、「かなり無理な条件」であったように思う。
当然、日本でこれは通らない。

CHINAサイドは「いいでしょう」と、満面の笑みで握手するのだろう。
ここまでは想像がついた。
有利な条件とも言えるが、弱みにつけこむやり方とも言える。

そして私の想像では、これらの条件は数年以内には無視されるだろう、と考えていた。
握手した上で、一時的には助かったと思わせたうえで、最後はすべてもっていかれるのだろう、と。

技術も引き抜かれ、日本の製造業は業界全体で大きな被害を被る。
工場は閉鎖され、役員はやがては更迭。
ブランドのみが活かされ、例えば米国や欧州などで「日本製品を偽装」されることまで想像していた。

 

これらの「財産」が得られるのであれば、CHINAは「あの程度の資金」であれば投入しても惜しくないと考えたのだろう。
正直、損得のみで考えた場合、この考えは理にかなっている。
(日本という観点を除いて考えれば)私だって同感だ。

しかして結果はどうであったか。
CHINAの思惑通りに行ったのか。
答えは、なんとNOである。

CHINAが計画通りにいかなかったのだ。
これは近年まれに見る事態であった。

驚くべきことに、シャープは「ごめん、もう3500億円ある」と言いだしたのだ。
これでは話が根底から覆る。
それを支払ってもCHINAには利益はあるのだろうが、CHINAも驚いたことだろう。

ちなみに私もびっくりした。

 

 

 

勝利は勝利である。
CHINAもびっくりしただろう。
私もびっくりした。

日本人からすると「CHINA人との契約行為は気を付けろ」という警戒心がある。
逆にCHINA側からすれば「日本人は約束を守る」と油断していたのではないか。
生き馬の目を抜くようなビジネス業界ゆえ、ある程度の泥臭さはある。
あってしかるべきだ。

しかし「日本だから」という油断が、CHINA側にもあったのではないか?
ある意味、ここまで無茶苦茶をしてくるとは想定していなかったように思う。
(少なくとも今回のシャープの動きは、私も想定外だった。唖然とした。)

CHINA側も「まるで中国人みたいな経営陣だ!」と思ったのではないか。
(私なりのジョークのつもりだ。)

先方の計画通りに物事が進まなかった。
これをもって「外交上の勝利」ということもできる。
勝利は勝利である。

 

 

 

欧州の移民問題
いきなり話は変わるが、欧州の移民問題である。
私は難民のほうが強いと思っている。
実際、レイプ事件なども多発している。

いかにヨーロッパがプライドを持とうとも、難民にはかてない。
生き物として、個としてみた場合、難民のほうが強いからだ。
はっきり言えば「厚かましい者が勝つ」のである。

バターン死の行進と言われる一件がある。
歩いた距離は100kmほどだったと思うが、欧米の兵士のみが死亡した。
食料などの問題もあったとは思うが、そもそも日本兵は「かなりの距離を歩いてきた」のだ。

欧米の兵士は、要塞にいた。
歩いていない。
捕虜になったゆえ武装は解除されている。日本兵は、武装がある。
銃のみを考えてもかなりの重量がある。

日本兵は、歩くことができた。
しかし欧州の兵士は、かなりの数が死亡した。
日本兵が強かったということは簡単だが、現代の日本人は(欧州の兵士よりも)もっと死ぬだろう。

生物としての、個の強さが段違いに違ったのだと私は考えている。
当時の日本は、貧しかった。いまよりも遥かに貧しかった。
何10kmという距離を歩くことはザラであり、モータリゼーションなどはどこ吹く風、自家用車はもとよりタクシーなんて超々高級品だったのだ。

シリア難民の話に戻る。
現代のヨーロッパ人よりも「強い」はずだ。
軍人などの特例を除き、平均値がまったく異なると思う。

そして彼らには失うものがない。
何か犯罪を犯したとしても、それによって喪失するものがない。
犯罪を犯して「裁かれる」とは、社会的な地位にダメージを与える刑罰が多いが(禁固刑など自由を制限するものもあるが、結果的には職歴などに打撃を受ける)【そもそも社会的な身分】がないのであれば、それはなんら障害になりえない。

「あの人は殺人犯だ」「レイプ事件を起こした」などは、刑罰を受けることで社会的に裁かれるのである。
共に生きて行かねばならないコミュニティがあり、その最たるものが国家であろう。
ようは「村八分が怖い」というのが、欧州型のモラルやコンプライアンスの根底になると考える。

ならば、欧州に「そもそも生活基盤をもたない」人は、何も怖くないのだ。
社会的な制裁は、まったく意味をなさない。

 

失うものがなく、個としての強さに圧倒的な違いがあった場合。
生物としての欲求、つまり三大欲求を抑えるものは、ほとんどない。
食欲、性欲、睡眠欲。

食べ物があれば、食べたい。
女がいれば、襲ってしまう。

実際、欧州の状況はその通りになっている。
随分と体格もいいように思うが、シリア難民のほうが遥かにごつい。

このBlogを読んでいる読者は、三大欲求のみでは生きていないはずである。
これのみに従えば、基本的には「塀の中」に放り込まれるからだ。
「社会」というものが、これを抑える役目をはたし、場合によっては「モラル」とか「道徳」と呼ばれるものが動きを抑える。

 

ただし。
難民の例で示したように、「欲に対して忠実な者」のほうが強いのだ。
厚かましいほうが勝つ。

日本人らしからぬほうが「強い」のだ。
ゆえにCHINAは強い。外交面でも強い。
アメリカも強い。日本が軍をもっていないから、だけではない。

 

さてシャープである。
突然、難民の話を始めて驚いた方もいるかと思うが、ちゃんと話は一つにまとまる。

シャープは、厚かましかった。
CHINAよりも厚かましかった。
むしろCHINAすら驚かせるほどに厚かましかったのだ。

利己的な生き方を、日本の保守層は責めてきた。
私もその一人だ。

シャープの経営陣は利己的であった。
通常は、これは弱点となる。弱点となるはずだ。
しかし「ここまで利己的」であれば、むしろ強みにもなるのだろう。

CHINAすら驚くほどに、利己的。
利己的な日本人を、私は好きにはなれない。

ただし「なんらかの有効活用」の方法もあるのかも知れない。
近年、稀に見る事態である。
CHINAの思惑通りに、物事が進まなかった。

半分は嫌味であり、愚痴である。
しかし、「CHINAに外交的に勝利する方法」のヒントがここに隠されているように思えてならない。
半分は本気である。

 

 

 

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コメント (頂いたご意見は、他SNSに比較し最優先で目を通しております。)

  1. medakanoon より:

    【鴻海vsシャープ】CHINAに外交的に勝利する方法 外交とは調整の連続であるが、この評価基準は様々だ。 まずもって「絶対に譲れない国益」、仮にCHINAの単語を用いるならば「革新的利益」を守る必要がある。 そして譲

  2. 鳥海山たろう より:

    シャープの製品の長年の愛用者としては、今後暖かく見守りたいところです。交渉が成功であったか、結果はそのうち公けになるのでしょう。
    さて「厚かましさ」ですが、それはある断面では必要と思います。以前に「鈍感力」という言葉がはやりましたが、それに近いものがあると思います。繊細であることが弱さにつながることもあります。

    ただ私が社会人になって、いろいろな企業や組織を見てきた経験から思うのは、やはり「おごれる者は久しからず」という古典の教訓は正しいのではないかという印象です。

    日本の自動車メーカーではトヨタが世界で強いですが(左翼からは目の敵にされてきた企業)、むかしトヨタの社長は「トヨタがあるせいで市が成り立っているのだなどと思うな。胸をはって歩くのは恥ずかしくて下を向いて歩くくらいの謙虚な姿勢でいなさい」とか言ったそうですが、なるほど強さを維持できるのはそのせいだなどと思います。

    逆にソニーなどはむかし日本を代表するメーカーのように言われた時期がありましたが、社長も「企業が文化をつくる」などと格好いいことをしゃべり、社員も洗練されてはいるが、なにか勘違いしているんじゃないかと思えたとき、やがて急速にメーカーとしての存在感が無くなってました。

    シャープの社員は傲慢ではなく謙虚であったと思います。社長が大バクチをしたのが原因ではないでしょうか。だれか入れ知恵をした人間がいたのか、それともデータを見誤ったのか。勇気あるチャレンジと無謀なギャンブルは天地ほど違うのですが、時間が経ってみないとわかりません。

    ヨーロッパの難民の話があげられましたが、ヨーロッパで「おごれる者は久しからず」で痛感するのは、やはりドイツの歴史です。どうしても同情を禁じ得ないのです。

    ヒトラーが支配する前は世界有数の経済と科学技術や文化をもつ国でしたが、ヒトラーにより悪魔の帝国となってしまいました。
    もし当時の隆盛と国家的権威を維持して発展していたなら、確実に世界のリーダーになっていたでしょう。

    そして、ヒトラーが出現しなければ、現代はドイツのほうが米国に対して「黒人の人種差別の社会制度は時代錯誤であるので止めなさい」と米国に人道的忠告をする国家になっていたでしょう。ノーベル受賞者もドイツで輩出して、文化と芸術でも世界のトップレベルでいたのではないでしょうか。

  3. 鳥海山たろう より:

    (上からの続き)
    長々と書いてすみません。

    しかしヒトラーについては、たしか今まで一度も書いたこと無かったと思うのですが、日本人にとっても無視できない、極めて重要なことだと昔から思っています。

    ヒトラーがなぜドイツを支配できたかというと個人的に思うのは次の3点です。

    ・第一次大戦の賠償金やら経済政策等で対ドルレートで数兆倍、身の回りの物価が数億倍という途轍もないハイパーインフレでドイツ国民がパニックになった。(「もう、すがれるのであれば藁でもすがりたい」と人々が限界まで追い詰められた頃にヒトラーがドイツの政界に登場した)

    ・共産党という過激な革命政党が勢力を不気味に伸ばしていた。そのため伝統的な昔ながらの考え方をもった堅実なドイツ人も、「共産党への対抗政党」、共産主義者をもだまらせる強力な政治勢力としてヒトラーを支持した。

    ・ドイツの混乱をユダヤ人のせいにする論調や風潮が浸透しつつあった。多くのドイツ人はまさかナチスがホロコーストをやるなどと夢にも思わなかった。一定の根拠があると思って漠然と風潮を蔓延させていた。(また歴史的にキリスト教徒にとってユダヤ教徒は差別対象であったという面もあった)

    このためドイツ人はナチスを支持した結果、奈落の底にまで突き落とされました。

    このドイツのひどい歴史は世界の知的共同体にとって、きわめて重要な「教訓」となり、世界的に共有されています。

    またナチズムさえ登場しなければ、現代ヨーロッパのような過激な移民問題などの混乱もある程度避けられたのではないでしょうか。

  4. 櫻盛居士 より:

    これを勝利と言えるかどうかは疑問ですが、こう言う風潮がシャープ社で常態化しているのであれば、それは逆に危惧される事態だと考えております。

    若し鴻海側が日本人らしからぬエゴ対応によって手を引いたのであるならば、それは社内では尚更常態化していたのではないかと推察されるからです。

    今回の交渉ではシャープ社は鴻海より弱い立場と言える状況であったのにも関わらず、エゴ炸裂でオシャカに持ち込んだ訳です。
    シャープ社経営側は従業員に対して、雇用契約上では強い立場にある訳です。
    だとすれば、そのエゴが従業員に対して向けられていたのではないかと言うのは、邪推でしょうか。

    顧客情報漏洩は大きく報道されるので広く知られる事が多いのですが、技術情報漏洩はあまり表沙汰になりません。

    このあらゆる情報漏洩ですが、企業は防止策を強化する割に、漏洩事案は撲滅出来ていません。
    それもその筈、インフラシステムや規則を幾ら強化しても、運用するのもそれらを構築するのも人間だからです。

    若し自らの所属する企業に不満を持ち、所属する企業に損害を与える事が天誅だと歪曲した正義感を抱く者を生み出してしまった場合には?

    日本には中小企業が数多く存在し、その中小企業がそれぞれ重要な顧客、技術情報を抱えているのが現実です。
    それなりの企業やその傘下企業に勤められている方には想像出来ないかも知れませんが、それらの中小企業の多くはハッキリ言って笊と思えるセキュリティー体制しか敷いて居ない事も少なくありません。
    にも関わらず、情報漏洩事案を引き起こしていない事も多いのです。
    これは、所属するする組織への意識が多分に関連しているからです。

    それらの要因を考慮に入れれば、現シャープが地雷を抱えている可能性を危惧しても仕方の無い事でしょう。

  5. 鳥海山たろう より:

    最後に。
    シャープや難民から連想がどんどん広がって恐縮ですが、
    「なにが民族や祖国愛というものを極限まで貶めたか」というと、左翼やリベラリズムではなく、ナチズムのような異様な全体主義だったと思っています。

    日本では変態左翼もナチズムを罵倒していますが、(むかしから思うことに)日本では、あまりに変態左翼が強すぎて、ほんとうに悲惨でした。

    たとえば変態左翼は、慰安婦騒動を批判する運動を日本人がやれば、すぐ「ポピュリズム」と罵倒してヒトラーのような大衆扇動家を連想させますが、変態左翼こそが従軍慰安婦騒動で韓国のポピュリズムを煽り倒した張本人です。

    日本の、それこそメディアも政治も学者も総動員で朝鮮半島のポピュリズムをあおり倒したのです。
    頭がおかしいなどというレベルではありません。本当に気が狂っていました。

    そして自分たちの気に入らない運動は、すぐにポピュリズムと罵倒しました。
    有名人の吉田清治も、朝日新聞が昭和60年代にとりあげると同時に社会党の政治家が国会で「このような立派な告発者がいる」と持ち上げていました。慰安婦騒動の10年くらい前から、そういうことをやってました。

    そして満を持して1991年ころから朝日新聞等が猛攻撃で韓国のポピュリズムを、(それこそ日本の変態左翼が総動員で)煽りまくる作戦を実行して、大方の日本人の抵抗は無力でした。
    日本を叩けるなら捏造でもなんでも飛びつく朝鮮メディアの恰好のえじきとなり中国や東南アジアにも飛び火しました。

    さて、「保守」というと、数十年前にアフガン戦争やイラク戦争のころに(いわゆるネオコンとは何かということで)アメリカの保守系サイトを集中的に見ていたころに名前を知ったある米国の学者がいました。

    ジョン・ルカーチというハンガリー出身の学者です(日本で有名なのは共産主義者のジョージ・ルカーチですが)。

    興味をもったので「ブタペスト1900」という本を熟読して、非常に感銘を受けました。人間味あふれる記述とすぐれた洞察力を感じると同時に、これは本質的に日本の竹山道雄などと本質的・究極的には同じことを書いているなとわかりました。

    それは、政治思想であれ歴史認識であれ、いちじるしく民主主義を衰退させるような思考にはくみしないが、祖国や民族の伝統が、あまりに不当におとしめられることに対しては、堂々と理性的に反論するという感覚です。(「真の愛国心とは攻撃的ではなく防衛的である」という風なこともたしか書いてあった記憶がある)

    そして三嶋由紀夫が愛国者とすれば、竹山道雄も愛国者であり、竹山道雄の戦前日本のナチスドイツへの接近(それが思想的同盟ではなく軍事同盟であったとしても)や全体主義的傾向への厳しい批判は、「第二次大戦はファシズム勢力と民主主義勢力との戦いであった」というステレオタイプとはかなり異なっていました。

    一般日本人はあまり竹山道雄もルカーチも読んでいないと思いますが、成熟した常識をもつ国民はだいたい共通した基本的感覚をもっていると思われます。

    安易に共産主義に迎合しなかった竹山道雄や他の知識人は、キリリと鋭い目をした鷹のような知識人のようですが、共産主義者に迎合してひたすら日本を呪い倒した左翼たちは、あたりかまわず毒液を吹き出して何にでも噛みつく毒ヘビのようです。

    さきほど挙げたジョン・ルカーチの傑作といえば「ジョージケナン評伝」ですが、そこでジョージケナンの提唱したソ連の封じ込めと中国の封じ込めはどう重なるのかという別のテーマにつながります。

    ジョージケナンのソ連の封じ込めというのは思ったより巧妙で奥の深い概念でした。
    ジョージケナンは中国には不案内だったからあまり視野はなかったと思いますが、現代の米国人は「これだけ中国人の留学生が米国に大量に来ているのだから民主主義の考え方をとりいれて、いずれ中国も民主化され近代化されるだろう」と楽観的に考えている米国人と、「いくら留学生ふえても中国の体制はビクともしない。中国国内の民主勢力を助けるため、このまま迎合せずになんらかの強い姿勢も必要なのでは」と模索する米国人もいます。

    後者が少しづつ増えているように思えますが、さあ次の大統領はどうするかというと、中国など訳わからんので、専門家の意見を聞いて多分のらりくらりやっていくでしょう。

  6. 東京都55歳 より:

    そもそも論で言えば、
    韓国企業を甘く見て、
    韓国人を甘やかした、
    そんな経営者が招いた、
    「自業自得」のオハナシ。

    http://toyokeizai.net/articles/-/9665
     「私とサムスンの李さんとの和解」
       シャープ元副社長・佐々木正氏

    反面教師としては、
    実に有能だったのかも知れませんね。

    • 鳥海山たろう より:

      その他大勢も・・。哀れですね。

      「買われた」日本人技術者たち
       給料5割増しで引き抜かれても、わずか3年でポイ捨て
      (その哀れな末路パナソニック・ソニー・シャープの場合)
      http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34391?page=2

      「サムスンに骨を埋めるつもりで国内の自宅を売却し、家族を連れて韓国に移った人もいた。ところがその3ヵ月後、サムスンは東芝と合弁企業をつくり、そこでディスクドライブを製造することになった。
      日本から引き抜いた技術者はどうなったか。
      『君たちは必要なくなったから解雇します』—これで終わりです。
      技術者は会社を訴えようかと思いましたが、どうしたらいいかわからない。
      相手は一流の弁護士を抱えているサムスンですから・・」

  7. 鳥海山たろう より:

    シャープの株価を見ると、あまり動きはなかったようです。
    鴻海と一緒になっても、ならなくても、あまり結果は違わないと市場が予想したせいでしょうか。
    しかしとりあえずシャープが山水電気みたいにならなくてよかったと思う。
    名誉と伝統ある企業の株価が1円とかになるのを見るのは苦痛だー。
    最後は人だから、どれだけ優秀な社員が残っているかにかかっているでしょうね。
    (鴻海はシャープの企業文化は一応尊重するような気がする)

  8. 深夜に失礼致します。

    初コメさせて頂くのに爆笑しましたはあまりにもと思いますが、確かに勝利ですね。これまでの日本人の発想を覆すシャープの迷走なのか浅はかなのかはともかくとして、奥の手ならなかなかセンスのある必殺技かもと…期待したいところですが難しい背景は素人の私には理解不能状態です。

    移民については浜辺に打ち上げられた男の子を撮らずにいられなかったと訴えた女性(カメラマン?)が鍵を握っていると思うのは考え過ぎでしょうか?あそこから移民問題が欧州を奈落の底へと誘った気がしています。

    日本は世界一のお人好しを止め戦後70年も在日という不法者に苦しめられていると発信し続けるチャンスを逃してほしくないですね。

    安倍総理が何故通名を残したか理解不能なので、未来の子供達に謝罪をさせたくないなら是非とも通名制度の廃止をと望んでいます。

    そして話しは逸れますが国連の妖しげなメッセージにはハッキリお黙りと言い切って貰いたいです。皇室典範まで口出しする等不届き者が巣食う暇な寄り合い団体にすぎなく腹立たしい事この上なしです。

    お忙しいのに情報提供ありがとうございます。

    議会の方も頑張ってください。応援していますのでお身体を大切にして何時か国政に出られる事を願って失礼致します。

  9. 事態はまだまだ、流動的でありホンハイが買収を断念したというのは確定していないと思います。
    ブログ主様は、ホンハイが買収断念確定を前提に話されていると思います。
    ホンハイが買収を断念したとして、「勝利」したと言うのは、かなりハードルが低くしたな!
    としか思えません。

    ( ホンハイは台湾「中華民国」の会社で、CHINA「中華人民共和国」は敵対関係にあると思い込んでいる方々の為に、
    ホンハイのトップが中華人民共和国の傀儡であり、その支配下にある)

    この事を書かなかったのは、このブログの読者は知っている、と言う前提があるからでしょうが、不親切だったと思います。
    ホンハイが、三大欲の残り一つを謳歌している時に反撃しましょう。

  10. 生野区民 2 より:

    昔シャープと提携する小さな会社で、働いていたが人を人とも思わない姿勢には
    あきれた、納期を守るため72時間連続で仕事をさせられた(食事3時間)睡眠なし
    その後転職して、シャープの本社から2分のところの、不動産屋で働いていたが
    その時も、シャープの社員の転勤のために、物件を紹介させられて契約はシャープの
    不動産部がこっそり行うと言うものだった。
    会社として倫理がなっていない、静かに倒産して日本から姿を消して欲しい
    大企業がみんな変ではなく、本田などは驚くほど義理堅く立派だった
    転勤者の契約書の名義はすべて、本田宗一郎になっていた
    情報だけ盗むシャープとは大違いと、当時感心した

  11. mirage より:

    他人と向き合うとすぐに相手の立場を考えてしまう日本人は、自己主張の強烈な外国人には押し負けてしまうが、関西人だけは対等に勝負できると聞いたことがあります。
    今回の件では、シナ人もシャープに対して「おぬしも悪よのう」と感心し、自分たちの仲間と思ったのでは。
    ほぼ決まりかけた時点で難題を持ち出すのは、世界遺産で韓国がやったことと同じで、相手としては今更白紙にも戻せず、という何とも言えない手法であり、永遠に不信感を残す反日本的・大陸的やり方だと思います。
    「日本人をなめるな」という意味では意義があったでしょうが、これからシナの徹底的な反撃を受け、ボロボロにされるのでしょう。
    資本の面でも今回のやり口についても、シャープはもう日本企業ではなくシナ企業と認定します。

  12. ぎーぎー より:

    私にはシャープが勝利したようには思えません。

    ところで三橋貴明ブログにて日本の悲惨な現状について書かれています。
    こんな時期に言うのもなんですが私には安倍政権を応援する気が起きません。

  13. 00 より:

    日本人は現場は優秀とされていますが、指導者は最悪とよく言われます。
    どうしたら、勘のいい、勝負に強い人が、いわゆるエリートを部下に使いこなせるか考えないといけませんね。

  14. ちび・むぎ・みみ・はな より:

    皮肉なのだろうが,
    どこまでが皮肉だったのか分からないので一筆

    高度成長期に育った私の高校では毎年80Kmを
    歩く会があった. 男子は勿論女子も全員参加である.
    途中で父兄が御馳走してくれるので全然辛くない.
    朝出発して70Km程歩いた後, 最後は競争になる.
    まだ暗くて外灯もない早朝に走り出す.
    女子も含めて殆どが完走する.

    バタバターンと米兵が倒れたのはご馳走がなかったからか?

    「バターン歩く会」について真面目に議論すると
    某国からとてつもない圧力がかかるのは理解している.

  15. ミンス党の党名ロンダリングは無駄無駄無駄あああ より:

    民主党が立憲民主党に改名するようですが、「立憲主義」という言葉をサヨクに悪用されないよう予め理論武装しておきましょう【コピペ拡散推奨】

    >「平和主義」という言葉がまるで神通力を失ったことに気づいた左翼護憲論者は、近年は「立憲主義」という言葉を新たな旗印に掲げて断固改憲を阻止する構えである
    (憲法クイズで有名になった民主党の小西参議院議員 や東京都知事選に出馬した元日弁連会長の宇都宮健児氏、社民党前党首・福島みずほ氏らが「立憲主義」を連呼している)。
    これに対して改憲論者の側からは、残念ながら今までのところ余り効果的な反駁が提示されているようには見えない。
    しかし実は、こうした左翼護憲論者の掲げる「立憲主義」の理解は、英米圏で主流となっている標準的な理解ではなく、
    フランス革命に由来するフランス・ドイツなど大陸法系の既に破綻した古い理解でしかなく、
    そのことは阪本昌成氏(リベラル右派の憲法学者)によって明示的に指摘されているほか、長谷部恭男氏(東大法学部教授(憲法学))のような
    法学の世界的パラダイムを考慮に入れて発言する近年のリベラル左派の憲法学者からも暗に指摘されるに至っている。

    ●立憲主義とは何か
    http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/2033.html

    ●日本国憲法改正問題
    http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/89.html

  16. りょお より:

    このエントリの指摘にほぼ同意、です。
    日本人の民度は確かに高くとも、
    世界は欲塗れの塊、ですからね。
    政治、経済、スポーツでさえも。
    的を射た指摘に感謝するばかりです。

  17. 海外在住 より:

    お疲れ様です。いつも応援させていただいております。たまに書き込みをさせて頂いておりますが、私、海外在住というのは中国でございます。仕事で住んでもう5年になりますが。

    私もですが日本人は「モメないように限界のラインまでは譲ってしまう」のが対外国人となったときにいけませんね。私は中国人しか知りませんが向こうはちょっとした事でもモメるの上等で話をしてきますから。例えばですが

    日本人「あの、、すいませんちょっといいですか?(日本では通じるやや小声)」
    中国人「ああ!!!???(中国人は日本人に比べて耳が悪いんです。声が大きい方に注目されがちですが、耳が悪いから声が大きい(飛行場付近に住んでるみたいな騒音の中で生きてるから。でこう聞き返すのは怒ってるのでも、怒鳴ってるつもりもなく聞こえていないっていう意思を相手に伝えるためには最初からこのテンションで聞き返す必要があるんですね。)」
    日本人「!?(ひい!?いきなりなんか怒ってる!?)ああ、、すいません、いいですいいです。」
    慣れないとこんな感じですね。

    中国人と交渉するコツは自分の心に(お前の言ってることは全部間違ってる、俺が正しい。ぐだぐだ言うならぶっ○すぞコラ)位の気持ちで最初から持って望む事です。向こうは自分が正しく、これが最善の方法である様な話をしてきますが根拠は無いか、狭い視野での自分の経験の中程度でしか語っていないのです。それを日本人はこんなに自信満々で言うのだから余程検討を重ねて、先々まで見通した上で言っているのだろう。と勝手に思ってしまうんです。全くそんな事は無いんですね。思い付いた事を口から発してるに過ぎないんです。

    まあこれも私個人レベルの5年程度の経験から語っているのに過ぎないんですけどね。
    友人として付き合う人は別にしても、仕事で交渉する相手とはこの心づもりで当たっています。

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