【全国的にも異例の混乱】小中学校の光熱費・水道代すら止まる、”当初予算の否決”。市長辞職勧告も決議、行橋市。

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令和5年3月定例会において、行橋市議会は当初予算を否決した。さらに同日、市長辞職勧告決議も可決。さらに副市長人事は賛成4(定数20議席)で不同意。

よく聞く言葉だが、「当初予算」とは何か。否決となれば大きな影響があるというのは想像できると思うけれども、実際に何なのかを紹介します。

これは、公民館の電気代であったり、各小中学校の光熱費・水道代など、また市職員の人件費や生活保護費の扶助費などを含む「市の年間予算」そのものです。そのため原理原則上は、これらの事業は停止します。

予算の編成権は市長サイドにあれども、あくまで「市議会の議決」を得たのちに執行できるもの。稀に生じる事態ではありますが、多くの場合は再議であったり専決処分(議会の同意を得ずして、緊急性や行政の停滞を防ぐため例外的に市長だけで意思決定するもの)するのです。

しかし、法的拘束力がないとはいえ、”市長辞職勧告決議”が議決された状態では、市長による専決処分は現実的ではありません。また、議会が招集に応じない可能性も、現実的に議論されておりました。

私は、現・市長体制に対立する立場であることを冒頭に述べさせて頂いたうえで、市民生活に対して多大な影響を及ぼす「当初予算の否決」はできないという理由から、賛成の立場で討論を行いました。

実際の討論原稿をベースに「そもそも当初予算とは何か」「市議会とは何か」「議決とは何か」を解説します。

 

 

 

 

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(OGP画像)

 

 

 

 

令和5年3月定例会 賛成討論(要旨)

実際の討論の原稿をもって、当初予算とは何か、議決とは何かを説明させて頂きます。

 私は、現・市長体制に対立する立場であることを冒頭に述べさせて頂いたうえで、市民生活に対して多大な影響を及ぼす「当初予算の否決」はできないという理由から、賛成の立場で討論を行います。何点かに分けて、反対すべきではないと考えた理由を述べさせて頂きます。 昨日である3月19日において、工藤市長より予算等について再度のご説明をしたいと申し出があったので、お受けいたしました。そうしたところ、投資的経費が9.9%であることを知りました。つまり投資的経費の割合は多くはありません。否決したとしても、仮に暫定予算を執行部が作成したとしても、ほとんど変わらんじゃないかというのが私の感じている現状でございます。

 どういう理由で私が市政に対して 疑問を持っているかというと工藤市政が始まって約1年今回の予算には 含まれておりませんが視聴部局から提案されてきた目玉政策と言いますか、”泥んこ遊び”しか私は見えないためです。(子供を休耕田で遊ばせるという市長の政策。)1年かけて出てきたものがです。
 他にも様々な中小企業であったり高齢者であったり教育だったりあると思うんですが、泥んこがみんなに私の目には映ったと。市民に向けてのビジョンがないともっと いろいろなものを提案していただきたいという思いがございまして政策的な理由で私は反対しております。

 私は、政局の一環として当初予算を弄ぶことは容認できないと考え、現市長に対しては批判的なスタンではあるものの、予算そのものを否決することは私はできないとの考えから、賛成をいたします。

 まず一点目。当初予算が否決された場合の影響です。市民への影響として、原理原則から言えば公民館の電気が止まる。これは確実にそうなるという意味ではなく、専決処分であったり再議であったり、暫定予算の編成などを市行政側がやらなかった場合という意味ですが、もしも何もしなかったり間に合わなければ公民館の電気は止まる。むしろ払えない。議決を得ていない以上は、予算が存在しないため払うことはできません。

 小中学校の光熱費・水道料も止まります。教員は県職員のため、教員の給料は払われるかもしれませんが、学校の電気も水も止まります。まぁ春休みなので、ほとんどの父兄は気づかないかもしれませんが、部活動のある子たちはびっくりするでしょう。

 生活困窮者を守れという議員さんや政党などもあり、弱者への支援についてはもっともだと考えていた次第ですが、こちらは生活保護費も止まる為、扶助費が止まった場合の影響余波を想定いたしますと、弱者こそが最もダメージを負うでしょう。3月補正においては、コロナ禍の対応や物価高騰への支援として国の補正予算も含まれております。予算が本当に否決された場合には、むしろ直撃するのは生活弱者からでしょう。

 もちろん職員人件費も止まります。これらは絵空事のように論じられてきましたが、いま議場におられる議員さんの半数以上の起立がない場合、つまり賛成少数となった場合には、現実になるわけです。言うまでもありませんが、議員の歳費も止まります。

 このように、ありとあらゆるものが止まるということを、果たして行橋市民は知っているのでしょうか。言い方を違えれば失礼なのでしょうが、果たしてこの場におられる議員さん御自身も影響について本当にご理解頂いているのだろうかというのが私の偽らざる所感です。

 私は一人の議会人として、この議場でたからかに述べさせて頂きますが、決めるのは議会です。確かに市長の権限は強力ですが、あくまで提案する権限と、議会で承認を得た予算について執行する権限しかございません。決定機関はあくまで議会であり、未来を決めるのは議会におられる市民の代表者、碩学たる皆様一人一人です。

 二元代表制のことを私が滔々と述べることはいたしませんが、7万人からの市民その一人一人から承認を得ることができないので、その代理として、代表者として議場に入室しているのが議員であると理解しておりますが、小中学校・公民館の電気水道代・生活困窮者へのセーフティーネットを4月1日から止めてもいいと、果たして市民が思っているのかは私は甚だ疑問です。

 実際に止まるのかと言えば、そうはならないでしょう。投資的経費を除いた義務的経費のみの暫定予算を執行部において編成されるかと想定いたしますが、市職員には膨大な負担をかけることは事実であり、そのことについても触れておかねばなりません。いま否決されようとしている予算は、数か月の工数をかけて、市のために編成されたものでありましょう。ここから各課の義務的経費を抽出しようとすれば、本日が20日の月曜日でありますが、春分の日の祝日や土日も返上で作業したとしても、最短で27日の月曜日ぐらいまではゆっくりかかる。そこから臨時会を招集し、今月中に本会議を開催せねばなりません。
 それら義務的経費の抽出作業は、極めて後ろ向きの作業であり、誰の利益になるものでもないというのは、僭越ながらこの議場で述べさせて頂きたい。あらゆるものを外して骨格予算に近いものを、休日返上で作ったとしても「何かを形作るわけではない」からです。公益に資するわけでもない、果てしない激務を市職員に強いることについては申し訳なさを覚えます。

 では先ほど述べた投資的経費9.9%の つまり10%に満たない投資的経費が本当に市政の発展上の戦略的な予算かといえば これは投資的経費とも言えないような内容で半分義務的経費じゃないかというものもございます。

 例えば市道の整備事業が含まれておりますが、その中には多数の市議からも強い要望があった泉小学校近隣の通学路の整備事業も含まれます。いわゆる前田綿打線、つまり496号線から洋菓子屋までの整備事業で、議会側からも交通量が多く通学路の安全について指摘がなされてきました。前市長体制からの継続事業であります。これを除外し、暫定予算を組ませてどうするのでしょうか。

 市が今後も本事業を推進すると仮定して、6月議会において、これら事業が議案として上程されるならば、ゆっくり三か月は遅延するわけで、いま部分的に、虫食い状態で事業は実施中でありますけれど、着工は原理原則としては遅れます。もしも事故が起きたらどうするのでしょうか。

 消防の予算については、はしご車が約3億円ぐらいだったと思いますけどこれ もうちょっと安かったかもしれませんが これは実は総務委員会において私個人は反対したのでありますが、苅田町との持ち合いとなる共用の消防車です。私が反対した理由は、万が一にも同時に必要となった場合を想定してのことと、行橋のみならず苅田でも高階層の建物が増えていること、またはしご車はビル火災だけではなく工場火災などにおいても使用されることが理由であり、消防にとっては花形である“はしご車”を共用することに疑義を感じたためです。
 しかしながら、本予算における投資的経費 約30憶のうち、1割に相当する3億円が本車両の購入費であり、市税で全てを負担するというわけでもなく、これは持ち合いによる有利な国費を使用するためのものであります。

 コスメイト行橋について。私も 知らなかったんですがコスメイトのホールが釣り天井だそうでこれはかつて(他県において)崩落事故が起きましたから、市内の公共施設で残っ てるのはこれぐらいだと思いますがこの設計委託費が約4000万を含まれています。市政70周年を迎えるにあたって、果たしてそのタイミングに被るんじゃないか、間に合わないんじゃないかって部分があります。これが私の知ってる投資経費の少しまずいんじゃないかという 部分これ一旦引けてしまったら 暫定予算が組んだ場合今の事業はなくなって6月まで上がってこないんです 私はそのことを非常に残念に思います。

 最後に議会のことを。足並みを崩させるとかそういう意図はございませんが、私なりにもいろいろ他の議員たちは”お願い”(爆破予告に関するヘイト決議の名誉回復など。)がございまして、まあかなりお願いベースで丁寧にやってきたつもりですけど、それなりの譲歩も見せて黙っていてもですね、もう何もなさらないどころか逆に何をやってもいいんだというそういう空気すら感じました。ここで一緒に動こうと言われても私はさすがに当初予算は一緒には否決できない と思いました。

 他もう一つ言いたいことがあります。賛成討論しているのが私しかおりません。市長を支える立場の議員さんだっておられるはずです。賛成にまわられる議員さんだっておられると思う。どうしてこの場で述べられないのか。議場には部長級は入っておりますが各課の課長級だっております。何ヶ月もかけて一生懸命市民のために予算を組んだはずです。その投資的経費の良い部分の一つ一つをここで誰かが言ってあげなかったら議事録には記されないんです。本当にこれを否決していいのか、実際に否決されるんでしょうけどそのことを議場で言わなくて大丈夫なのかと。なんで誰もそのことを言わないのかと。

 市長および、市長率いる執行部体制については私も思うところが多々あります。質問においても批判的なスタンスで対峙してきたのでありますが、それら議会との対立、例えば市長を100条委員会にかける等の行為においても経緯や説明に納得がいかない議員さんがおられることは充分に承知しております。

 また、いま頂いた建設経済委員会、文教厚生委員会の2つの委員長報告においては当初予算は否決であり、それらの反対理由も明確なものでありまして、これに反駁する意図はございません。私の所属する総務委員会においては賛成多数となっておりますが、これは1議席差であり、反対すべきか逡巡しての私の1票でひっくり返るものであり、つまりは全ての常任委員会ですら反対となりかねない状況であったというのが委員会審査であったと理解しております。

 しかし、どこまで行っても、これは市議会と市長の「政局」としてしか看做されないであろうことは、私自身も戒めとして理解しておかねばならない部分であります。私がそのように考える理由は、市長部局および議会、いずれが払った事務負荷も建設的な意味での市民の公益につながるとは、とても考えられないからであります。

 私は市議選を誇りを持って戦いましたゆえに誇りを持って議決行為に臨みたいと考えております。私の名前を書いてくださった方々は公民館や小中学校の電気を消していいとは決して思っていないと考えますので、戦うならば別の政策的な部分でやりたいと考えております。ならば 義務的経費のみを議会で提案する道がなかったのかとそのことを戒めとしながら私は賛成の立場で起立することをこの場で討論 で述べさせていただきますご清聴 ありがとうございました。

のち、他の議員から、私の本賛成討論について、議長に注意するよう発言がありました。

以上をもって、当初予算とは何か、議決とは何かという説明に代えさせて頂きたいと思います。

 

 

 

【実際の動画】議長への注意を求める声

この賛成討論は、私なりにも政治生命を賭けたものとなりました。

理由は、前市長を支えた市議の多くが予算に対しては否決の見込みであり、賛成討論の時点で「否決は覚悟」して発言しています。つまり、私としては長年に渡り同じ陣営にいた市議らとは”行動を別にする”という意思表示とならざるを得ません。

当初予算に対する賛成討論が、議会における政治的な決断を要する状況であったことは、一応は述べさせてください。ただし、足並みを崩させることを意図ではなく、単に予算とは何かということを真正面から捉えてのものです。

これらの覚悟を持っての発言であったことを踏まえると、動画をご視聴頂く上でその空気が分かると思います。下記においては頭出しをしておりますし、賛成討論を終えてのちに『(議長に対して、私に)討論の中身を注意するよう発言している議員』も含まれております。

令和5年3月定例会 本会議6日目(R5.3.20)③

 

 

 

【報道情報】当初予算、否決。市長辞職勧告決議、可決

以下、報道の紹介を行います。

 

朝日新聞

行橋市長辞職勧告を決議 新年度予算案も否決 議会と市長の対立激化

【福岡】行橋市議会(定数20、欠員1)の本会議が20日開かれ、総額約302億円の新年度一般会計当初予算案を否決。工藤政宏市長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。工藤市長が職員採用試験の個人情報を正規の手続きを経ずに警察に提供させていた問題をめぐり、議会と市長が激しく対立していた。

 全国市議会議長会によると、全国の市議会で一般会計当初予算案が否決されたのは2020年の奈良県宇陀市以来という。

 本会議では、個人情報の提供について、議会側から「行政の存在意義が問われる」などの批判が出た。予算案は賛成少数で否決された。現在1人が空席となっている二つの副市長ポストを1減する条例改正案も否決。副市長人事案も賛成少数で不同意とした。

(後略)

 

 

福岡・行橋市政が混迷 議会が異例の当初予算案否決と市長辞職勧告決議

福岡県行橋市の工藤政宏市長と市議会との対立激化で、市政は混迷を深めそうだ。市議会は20日の定例会最終本会議で、2023年度の一般会計当初予算案を否決し、新副市長の選任人事案など議案4件も否決・不同意にした。

(後略)

 

 

毎日新聞

 

以上のように、報道でも大きく取り上げられています。

また全国的にも珍しい事例であることが分かると思います。

 

 

 

議案に対する賛否

議決権の行使については公式のものであり、当市の場合は市議会便りにも公開されます。

予算について賛同した議員は、僅かに5名で賛成少数となりました。
内訳は、市民の会(かつて工藤市議が属していた)より、「二保茂則」「藤木巧一」「瓦川由美」の3名。

他には賛成討論を行った「小坪慎也(諸派)」です。
「西岡淳輔」議員も賛成しておりましたが、会派構成以上に公明党所属という部分が大きかったのだと推察します。公明党は当初予算を否決はできないように思います。

 

市長辞職勧告決議については以下のようになっております。
提出者も含めての「決議案」であり、そちらも公開されてきたため画像の二枚目において公開しております。

 

のちの動きとしては、かつて工藤市議が所属していた会派、市民の会において会派構成の異動がありました。会派代表は鳥井田議員が務めていたと記憶しておりますが、市長与党であるはずの市民の会からは鳥井田議員が当初予算を否決し、かつ市長辞職勧告決議の提出者に名を連ねております。

どうなるのだろうと思っていたところ、会派としては解散し、新たに鳥井田議員を除く3名(予算に賛成した議員)で市民クラブという新会派を結成したようです。このあたりは議会事務局からの議員向けのメールで知り、かつ市議会のHP(会派名簿)においても公開されています。

履歴保存用URL(web魚拓)

 

 

 

市長辞職勧告決議と専決処分

私はどちらの肩を持つという意図はありませんが、前述のように明確に賛成討論を行っております。
議場で述べさせて頂いたことが全てでり、議員としてはそれ以上に公式性のあるものはございません。
冒頭で述べたように、市長とは対立する立場であるけれども、そもそも予算とは何かという部分から発言を行いました。

 

ここでポイントになってくるのが専決処分です。

 

専決処分とは?

(前略)

「専決処分」とは、本来は議会が議決しなければならない事件を、時間的に議会の招集を待てない緊急な場合などに、行政運営の遅れや滞りを防ぐため、例外的に市長が議会の議決に代わり意思決定することです。

専決処分には、2種類あります。
1つ目は、時間的に議会の招集を待てない場合などの専決処分です。この場合、議会への報告と、議会の承認が必要です。
これまでの例では、特に緊急を要するものとして、大雨や台風による災害復旧のための応急措置などがあります。

2つ目は、軽微な内容で、あらかじめ議決によって指定(委任)している専決処分です。
この場合、議会への報告は必要ですが、あらかじめ指定しているので承認は必要ありません。

 

長崎市 議会事務局 議事調査課 

 

今回の件は、専決処分はそもそも難しい内容ではございます。

①時間的に議会の招集を待てない緊急な場合などに該当するかと言えば、4月1日において市政が実際に停滞する前に「議会を開会することは可能」という点があります。負荷限界を突破寸前ではありますが、20日(月)の否決でありますから無理ではない。
21日(火)は祝日であり、水木金とある。しかし事務的には非常に難しいレベルの負荷がかかり、実は単に議会を開会して議決を得ればいいというわけでもない。当然、議案を準備せねばならないし、義務的経費のみを抽出した議案を作る必要がある。

明けて27日(月)に議案を配布したとして、本会議の開会には3日前ルールと呼ばれるものがあり、29日もしくは30日に本会議(臨時会)を開催することとなる。果てしない激務であろうけれども、不可能ではないという理由で【専決処分とは言い難い】というのも実態だろう。議会人としては容認するわけにもいかない。

次に、「②行政運営の遅れや滞りを防ぐため、例外的に市長が議会の議決に代わり意思決定」という箇所は該当するとは思うけれども、また【行政運営の遅れや滞りを防ぐため、】という理由は成立したとしても、これが軽微なものかと言えば難しい。行橋市の当初予算は300億を超えており、専決処分が一般的に許される規模を遥かに超越している。

 

もっとも事態を複雑化させるのが、市長辞職勧告決議だ。
これは法的法則力はなく、その意味では不信任決議案とも異なる。不信任の場合には法的拘束力を発揮し、市長は選択(自らが職を辞するか、議会を解散するか)を迫られる。不信任の場合は議会の3/4が賛成する必要があり、ギリギリで市長不信任は通らないという議会構成にはある。

しかし、辞職勧告決議を賛成多数で通されている市長が、300憶からの予算を専決処分していいか?と言えば、法的拘束力がないとは言え「やってはならない」というのが模範的な回答になる。そこを強行突破した場合、今度は法的拘束力を有した市長不信任案が通りかねないからだ。

政治を聞きかじっただけの人は、「辞職勧告決議には法的拘束力はない」としたり顔でいう。同じく知識不足の方は「専決処分するのだろう?」と、安易に笑う。どちらも明確に間違っている。そんなことは実態としてはできない。法律や条例の文字面だけを追いかけていても、意味はない。現実的な運用とはまるで異なっている。

 

 

 

4月1日に、本当に予算が止まる可能性はある

相当に危機的な状況にあると思っている。

前述のように市長辞職勧告決議の存在により、専決処分という選択肢は消滅していること。

専決するにしても、義務的経費のみの骨格予算を修正案として臨時会にかける手続きが必要だろう。

この義務的経費の抽出が簡単かと言えば、事務負荷的に間に合うかは微妙なところだ。300憶からの予算に対し、投資的経費は10%以下とは言え、全てを積算しなおす必要がある。各課にヒアリングをとりなおし、予算調製の作業が必要となる。270憶規模の予算を、実際に作る直すことになる。

納期的に許されるのは、僅か3日4日となる。それでも市職員はなんとかしようとするのだろうが、20日の否決で、事務作業として許されるのは「22日(水)、23日(木)、24日(金)」の3日しかない。27日(月)には、議案として配布せねば臨時会の開催は絶望的だ。

31日(金)にずれ込めない理由もある。30日の臨時会で、果たして修正予算が通るかは未知数だからだ。30日がずっこけた場合、31日に専決処分などを行う可能性があります。逆に30日に臨時会を開会できなければ、市長は手の出しようもないでしょう。

市長辞職勧告決議と不信任が同時に出たから生じた状況であり、これは全国的にも珍しい構図だと思います。どう解釈していいか迷います。そして迷う時間もありません。

 

さらにですが、私が一番恐れたのは「議会が招集に応じない」可能性です。それはそれで議会側には認められており、少しでも引きずれば本当に間に合わなくなるという状況でした。

ちょうど一年ほど前が市長選でしたが、工藤市政になり「3月定例会」「4月に臨時会」「5月に臨時会」「6月が定例会」と続き、さらに7月に臨時会を開こうとしたところ、流石に議会から怒られて7月の臨時会は開会できなかったという経緯があります。

今までの経緯を鑑み、かつ辞職勧告を決議した議会としては「無理ぽよ☆彡」と突き返すことも選択肢としてはございました。その場合、本当に4月1日でアウトになった可能性があるわけです。

私が本稿の執筆を躊躇った理由の一つがここでして、どうやら昨日・本日の状況によりますと臨時会は開会される流れだと感じています。

 

 

 

これからの動き

賛成討論の冒頭でも明確に対立関係にあることを述べておりますから、現市長である工藤氏に恩を売るつもりは一切ありませんけれども、市職員からの感謝の声については有り難く思いました。

特に幹部職員は状況を正確に把握しており、もしくは(恐らくは土日を返上しても達成が可能な微妙な)過負荷の業務を担うわけで、「小坪議員は、二元代表制と議会手続きの重みを正確に理解されている」という声は、正直、嬉しかったですね。

 

影響があったかは否かは私には分かりませんが、この賛成討論があったからこそ臨時会がギリギリで開催されるのではないかという意見もあります。だとすれば、誇りに思います。

 

いずれにせよ、当初予算は否決されておりますから、通学路の安全確保に資する市道改修事業なども含めた投資的経費は、「削除」した修正案が出てくると思います。6月の定例会で再度の提案がなされるかは分かりませんが、市政としては停滞します。

そして、3月中に臨時会が開催されることは、ほぼほぼ間違いないと考えます。
しかし、臨時会において骨格に修正した予算案が上程されたとして、それが本会議を通過するかは分かりません。
流石にここまで市民生活に影響を及ぼしてまでは、議会は否決をやらないでしょうけれども、それも含めて分かりません。

 

これからの議会の動き、それは当市議会を構成する一人としても「分からない」が結論です。

市長が辞職する可能性もあるし、議会が何がしかの手続きをもって解散する可能性すらある。
いずれにせよ、統一地方選の応援で全国を奔走する予定でありましたが、ここまでの事態となっている以上は、私はほとんど身動きはとれないと思います。

あまり考えたくもありませんが、ゴミ収集などが止まる可能性は現実的に覚悟しています。
公民館や小中学校の水道については、流石に市が止めないでしょう。(裏付けとなる予算がなくとも。)
電気を九州電力が止めることも考えにくい。ただ、ゴミ収集などの事業は、もしも臨時会ですら予算がコケた場合には止まってしまうのかもしれない。欧州で見かけるストライキに近い状況が生じるぐらいの混乱は、当初予算の否決という事態からは覚悟されるべきものです。

通常ならば再議や専決で回避されるものなのでしょうが、辞職勧告決議との併せ技となると答えが見いだせない。
どうなるんだろうか。

 

 

市の税金とは、ある意味では先払いの「サブスク」みたいなものです。

行政サービスとは実は無償ではなくて、加入して頂いたサブスクの付帯サービスみたいなもの。「強制加入」ゆえに気づきにくいですが、行政=無償ではないし、手続きが完了せねば「止まる」のです。

市議選とか市長選が生活に密接だという意見は何度か耳にしたことがあると思いますが、議会の決定が得られない状況に市長が追い込まれた場合には、市民生活を直撃するレベルの事態は生じ得るのです。

私は、当初予算については市民生活に影響を及ぼすことを理由として否決すべきではないという理由から賛成討論を行いました。それ以上でも以下でもございません。

 

 

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コメント (頂いたご意見は、他SNSに比較し最優先で目を通しております。)

  1. 迷子の幽霊 より:

    当初予算が市議会を通らないとなると、小坪議員が懸念される光熱水費の即時停止はなくとも
    複数の公共施設が4月1日から稼働できなくなることは想定されるのではないでしょうか。
    毎年年度当初に締結、更新しているあらゆる委託契約は、予算が成立しない限り全て動かせなくなります。
    ご指摘にあったゴミ収集は、そのうちのたった一例に過ぎないでしょう。
    複数年契約している指定管理者制度導入施設について、
    来期委託料支払の目処が立たない中施設運営の継続を求めることは成り立つのでしょうか。
    行橋市民の生活が脅かされぬよう、市議会が冷静に対応されることを願います。

  2. BLACK より:

    市外の者なので理解出来ないのが当然なのか
    理解出来ない私の理解力が足らないのか
    どちらなのか自分で判別出来ませんが

    多くの有権者の支持も
    多くの支援者の支持も
    多くの議員氏の支持も
    受けて市長選に勝利した新市長氏が
    何故にこのような事態になっておられるのか
    私は理解出来ません。

    そんな理解出来ない私ですが
    「市政の為に」「市民の為に」「働く職員の為に」と言う
    小坪氏の市政と議会に対する姿勢は良く理解出来ます。

    このような当たり前で、単純なことが
    何故多くの議員の先生たちに共有されないのか
    これも私には理解出来ません。

    「そんな単純なことではないんだよ」と言われればそれまででありますし
    市外の者が大変失礼を申しました。

    以上 文責 BLACK

    • azumaebisu より:

      BLACKさん、私の軽い脳味噌にも、何が何だか…行橋市の市政が如何なっているのかが皆目分かりません

       そもそも、小坪市議の行橋市が…市民が、どんな理由で、【左派】と目される市長を当選させたのか?から疑問でした…

  3. 櫻盛居士 より:

    **********************************************************************
    共産党は2016年9月13日からの警告を無視し続けましたね。
    ならば、下記は決定事項と承諾したものと見做します。

     ・『テロを利用する共産党』
     ・『テロリストの味方である共産党』
     ・『テロに屈する共産党』

    **********************************************************************
     
     
    あらゆる方面の利害が複雑に絡み合って、事態も更に複雑に成ってしまってますね。

    まぁ、正直言えば批評すべき点が多いのですが、泥んこ遊びは個人的には嫌いではありません。
    ですので進める事を反対しませんが、ただ単に休耕田を再度耕し水を張って、子供が入って遊べる様にするだけの、ショボイものじゃありませんよね?
    子供は数集まれば、大人には何も無い様に見える状態でも、子供は何かを見つけ出しては工夫し、遊びを創り出すので、遊具などを整備する必要は無いと考えますが、自然との付合いをレクチャー出来る様にはした方が良いでしょう。

    とは言え、それもこれもベースと成る市の業務継続が大前提にあっての事で、そこを放置しての目玉政策はあり得ないのは言うまでも無いでしょう。

    辞職勧告決議、不信任決議、専決処分の兼合いは本文の説明通りで、この説明は非常に分かり易いので必読部分だと判断して居ます。

    一方で、現行橋市長はかなり明後日の方向にぶっ飛んだ印象を受けます。
    そのぶっ飛び具合で、事態を更に悪化させる方向にダイブするのではないかと、その点は心配せざるを得ません。

  4. ロード より:

    「小坪議員は、二元代表制と議会手続きの重みを正確に理解されている」という市の職員の切実な声が、好機(政局)とみて市長を追い込む議員に届くことはないのでしょうか?
    市長の目玉政策はどろんこ遊びで、予算がいかほどつくのかわかりませんが、
    要するに市の公務員がほぼ作成した市民のための予算を叩きつぶしたのですね。

    さらに、生活困窮者を守れという議員さんや政党は、今回の件で下心が丸出しになってませんか?
    家にポスター貼ってる方々は考えた方が良いですよ。

    小坪市議の賛成討論にて、臨時会が開催されるとのこと、わずかに良心は残っていたようでなによりです。

  5. JL より:

    選出から1年ちょっとでこの事態に落ち込める市長がスゴイ。。
    まぁなんとなく、能力なさそうな人なのはわかってたけど。

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