【総裁選総括】石破新総裁においても安倍・岸田路線が継承される理由、内閣総理大臣は議会に弱いため。株価急落の背景分析~これからの日本はどうなるのか。

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ご当選おめでとうございます。また戦い抜かれた全ての総裁候補、支えた各陣営に敬意を表します。総裁選とは「自民党にはこのような人材がいるよ!」と党員に伝え、そして各候補が練り上げた政策を発表する政策展覧会の側面があると思う。それぞれ信じた候補を応援した、全ての党員に相互に敬意を伝えたい。

さて、これからの日本の余波について自論を述べる。例えばマーケットの反応について、一定程度は事前に(少なくとも私の周囲は)覚悟はしていた。聞けば納得であろうけれど、それは【総裁選そのものの否定】に近い論説になるため控えた。

”日本が終わる”という、強めのアジテーションもある。
我が国の国政であるけれど、「これから」については実は大きくは変わらないというのが正直な思い。総裁選の最中には大きな声では言えなかった、その説明にはある禁句も口にせねばならぬからだ。

また私も一党員として投票行為に臨んだ。どの候補に票を投じたのか、その理由が何かも述べる。いわゆる三強をメディア側が固定したことに違和感を覚えたが、後半戦になってからギリギリに票を投じている。

 

 

 

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日本は終わらない、そして大きくは変わらない。

『終わる!』と喧伝したほうがインプレッションが稼げる。煽り気味のサムネイルを多用する発信者、もしくは媒体は以前から散見された。また、それらを一定層は信じてしまうため、正確な状況が相互に共有されていなかったと述べたい。

正直に言えば総裁が変わっても日本は大きくは変化しない。
選挙中は述べることが憚られましたが、どなたが総裁になれども大きくは方針は実は変わらない。無論、掲げられた個別政策は強く推進されようけれども、国家方針が大きく変わることは想定できない。

これが政権選択選挙であり、自民党から民主党へ!等であれば別だ。例えばどの総裁候補が当選していたとしても、自民党と自民党の候補である。党の方針から大きく逸脱することはない。例えば米軍は出ていけ!安保は破棄だ!とはならない。また、撤退させた米軍基地の跡地に、新設した日本軍を駐留させ、歩兵を二倍に増やす!などはできないわけです。

このあたりは、米国の大統領選挙と比較すると分かりやすいと思う。

では総裁選の最中になぜ書けない、言えなかったのかと言えば「どの総裁になっても、あんまり大きくは変わらないよー」ってとられかねない。そういうニュアンスで伝えたくはなくとも、書き方が非常に難しく、必死に戦う各陣営に水を差したいとも思わなかったのだ。夢のないことを書きたいわけではないからだ。

 

 

 

内閣総理大臣は、実はとても弱い。安倍路線、岸田路線は継承される。

石破新総裁は首班指名を経て総理に選出されることとなる。

例えばウクライナやイスラエルで世界に炎が上がる中、いずれが選出されども自民党の候補には違いないわけで、例えば日米安保を即時中止するとか大幅な外交方針の変更は起き得ない。(夢はないけれども。)

 

ポイントは、国会にある。いまは新たな総裁として選出されたのみで、自民党の総裁と内閣総理大臣は異なる役職だ。かつて谷垣総裁は、自民党の総裁に就任すれども総理の椅子に座ることはなかった。

我が党の総裁は、国会で首班指名を経て総理大臣となる。ここがポイントだ。仮に野党が不信任案を出してきた際、自民党が守らねば(不信任案を可決すれば)総理のクビは飛ぶ。我が国の内閣総理大臣というポストは実は相当に脆弱なものであり、非常に議会に対して弱い仕組みになっている。

 

岸田総理も相当に苦労したろうし、議会の多勢を占める自由民主党を敵に回しては続投が難しい。予算が通らないというだけではなく、総理とは実は相当に儚い立場であることには留意が必要だ。

自民党「総裁」には、入党すれば(党費を納入すれば)国民にも投票権を得ることができる。
しかし日本国の「内閣総理大臣」を承認するのは議員のみであり、国会議員にしか票はない。

米国の場合は、国民が直接選挙で大統領を選出するため、仮に議会とねじれたとしても突っぱねることは可能だ。それは我が国では不可能だ。議会とねじれた総理は、(解散もしくは)内閣総辞職以外の道はない。議会と戦う力を総理は持ちえない。

 

例外的な人物が我が国の総理にも二名いる。
一人は安倍晋三首相、そして小泉純一郎総理。
小泉内閣は国民からの圧倒的な支持により、また支持を背景とした解散権の行使、および党内粛清(刺客の擁立)により議会との対立を凌いだ。安倍元総理は、自民党の最大派閥を背景にすることで議会とある意味での一体化を果たしていた。

この二名においては、ほぼ大統領同様に、強い力を発揮することが可能だった。リーダーとしての姿を体現することができた。しかしこれは異例中の異例であり、あくまで内閣総理大臣は議選ということを忘れてはならない。

 

さて石破新総裁であるけれども、首班指名を経て総理大臣に就任することとなる。難敵は、実は議会となる。また、物凄く酷い言い方にはなるけれども、内閣総理大臣とは議会(国会)の下部組織という言い方をする人もいる。総理がオリジナリティを発揮することができるのは人事ぐらいで、大幅な国家方針の変更はできない制度にある。
(私はこの仕組みはちょっといまの時代にそぐわない部分もあるんじゃないかと思ってはいる。青山候補が述べていた、その主張の一部には同意する個所もあった。)

 

結果、安倍路線、岸田路線は継承される。
正確に言えば継承されざるを得ない。これはどの総裁候補が当選しても同様であった。

長きにわたった安倍政権における国家方針は、自民党の国会議員らにとっては身近なものとして浸透しつくしている。岸田政権で昇華していった外交方針は保守陣営の多くがご存じかと思うがそれは自民党の国会議員も同様なわけであり、ここから大きく逸脱することは制度的に不可能なのである。

そんなことをすれば総理大臣のクビが飛ぶ。

 

以上の理由により、日本は終わらない。
そして総裁選によっても、そもそも大きく変わる余地はなかった。最初からそうなのだ。

 

※1 議会選出という意味では市議会だと議長に似た形になる。市長や知事は有権者が直接投票して決めるため議会に対しては強い。地方の首長は米国の大統領に近い制度運用となっている。

※2 そのため知事においては不信任案を可決、解散か総辞職の二択となるのだけれども、政権与党に選出された総理総裁の場合は(選挙をせずに)党内で総理を交代することも散見される。(これが良いことだと思って言っているわけではないのでご注意を。)

※3 では総裁選には何の影響もないのかと言えばそうではない。それなりに長期間にわたる政権となった場合には、次なる世代において国家方針に影響を及ぼすことは疑いない。ただしそれは長期政権となった場合は、である。この書き方には留意して頂きたい。

 

 

 

私は総裁選には参加せず、一党員としての投票のみにとどめた理由

前回は勝ち戦をさせて頂いた。
御承知の通り、私は岸田総裁候補を支援し、見事に当選を果たしている。

総裁選の直前においては宏池会の領袖として、岸田文雄先生と面会を果たし、かつ一定の政策協定に近いものも締結させて頂いた。約束は履行された。

私に、仮に一定の影響力があったとして、そう何度も総裁選に介入するものではない。特に勝ったあと、その次の選挙においては身動きせぬ、または”できぬ”のも政治の通例なのだ。例えば市議会で議長を選出した会派が、何度も連続で議長職を取り続ければ議会は硬直する。特定勢力に権限が集中するためだ。これは国政でも同様で、どんなに大きな派閥であれども、連続して総理大臣をとることは基本的には有り得ない。

 

今回は身動きせず、ただ黙って客観的に事態の推移を見守る道を選んだ。
特定候補の名前はあげないが、ネット上で人気を博した保守色の強い総裁候補について、その政策に興味はもてども公式に応援することは控えている。いずれの候補についても言及はさけ、敵でも味方でもないスタンスを堅持した。

それは私なりの美学だ。

 

どの程度の政治実績であったのか、かつての総裁選における前後を。
過去記事より一部を抜粋します。

(宏池会の)岸田会長に対し、本件要望活動と要望活動後の写真について、ネットでの公開について許可を求めました。

「私に、本件要望を提出したことを公開することを許可する。」

「内容は、その全てを対象とする。」

「早急に当事務所は、法務大臣に対し状況説明を行う、私が対応する。」

 

この写真は、要望後のものです。
同じ写真です。岸田会長の表情を見て頂きたい。


ちなみに産経新聞でも報じられています。

在日ウイグル人を救え! 地方議員が国政後押し

 

詳細は折りたたんでおきます。

クリックして下さい!
戦後最長の外務大臣経験者として、同じく宏池会の上川法務大臣にウイグル関係での要請する機会をお願いし、(コロナ過でオンラインに急遽変更になったけれども)要望の場は設けられた。のち人権担当補佐官が新設され、その謝意を伝えるべく、”ウイグルを応援する全国地方議員の会”は総理官邸への訪問を許されている。

 

 

ウイグル人らへの帰化・査証手続きの弾力対応を求め、岸田文雄会長に要望。 ⇒ 岸田事務所は法務省・外務省への調査開始【政治は動くと実感した人はシェア】

 

【首相官邸にて】人権担当補佐官新設の御礼、ウイグルを応援する全国地方議員の会

 

規模感であるけれど、実は私の影響も一定数はある。
行橋市内の地元でも100名近い党員を束ねているわけだし、ネット経由で入党して頂いている読者も相当数に上る。

さらに大きな部分としては、読者に地方議員を多数抱えていること。具体的にはブルーリボンを守る議員の会は、1900議席もの賛同を集めておりメールマガジンの形で直接の全送信を可能としている。

各都道府県連の党員票の動きを見ればわかるように、これぐらいの地方議員らが結集した際の党員票は馬鹿にできない規模になる。

どう動くべきか迷った夜もあったけれど、私は”動かない”決定をした。これで敵認定をする者が多数いるのであれば、はっきり言っておくけれども『二度と応援はしない』と明確に書いておく。総裁選においては地方議員は一方的に票をもっている立場であり、お願いベースで要望されることはあれど、強要される謂れはない。

敵でも味方でもなく、政策本位で自ら決める立場にある。
そのため当後援会は、一切の拘束はせずに自由投票とした。結果、様々な候補に投票されたと推定するけれども、保守色が強い後援会組織であるがゆえ、私が音頭をとらずとも一定の候補に投票はなされたものと推定する。

 

 

 

私が投票した候補は、加藤勝信候補。その理由

一票だけ、です。
後援会に呼びかけることはせず、ただ自ら一票を投じました。

私から党員になっている地元支持者からは「足並みを揃えて投票したい、支持を仰ぎたい」と要請がありましたが、私は頑なに候補名を明かしておりません。理由は前述の通りで、誰の応援も、また批判も攻撃も、さらに論評もせずに静観の構えをとったからです。

 

加藤勝信候補に投じた理由と背景を述べます。
その説明にはタイミングについても触れる必要がある。県連に届くかどうか、ギリギリの時期まで粘りました。メディア側で三強が確定し、それ以外の候補が泡沫のように扱われるようになった時期。

迷ったのは小林候補です。
いまから失礼なことを書きますが、より不利な候補に票を投じようと思ったことは事実です。少なくとも三強のいずれにも票を投じないという決断でした。

 

経済安全保障法制。
この素案を取りまとめたのは、甘利先生です。党内部会でながらく審議され、その際の事務局におられたのが小林先生で、のち経済安保大臣に就任されました。ネットでは国会に付されてからの動きしかウォッチされておりませんが、そもそもは甘利先生が音頭をとられていたものと私ども地方議員は理解しています。

法案化の功労者として、小林候補にも投票したいと考えました。

 

加藤勝信候補は、自由民主党の拉致対策本部の本部長です。
いままでの実績を見ても申し分ない候補であり、我が国の国益に大きく寄与・貢献してきた傑物の一人であることは疑いありません。

「私たちは、ちゃんと見ています」とお伝えしたかった。
ただそれだけなのです。

メディアが三強を固定していく中で、露出が弱まっていった陣営に対し、報道上において劣勢になっていった陣営の中から「これは特筆に値する」と小さな声でも構わないからお伝えしたいと考えました。

はっきり言います、より不利だと感じた陣営が加藤陣営でありました。
ですから私は加藤先生に票を投じました。

 

当落としてではなく、ただ「寄り添っております」というメッセージとしての投票。
これも投票行為の一つの形態であることはお伝えしたい。また、それを呼びかけることも控えた。

のち判明したことですが、当後援会からは小林候補にも、加藤候補にも一定の投票があったことを支持者より伺っております。有名な保守系候補にも投票されておりました。誰にいれるな!とか、誰にいれろ!みたいな話はしておりません。

 

これで敵認定をされるのであれば、我々のリアルの陣営からはゼロ票になるとご理解ください。言おうと思えば色々とございますしね。

私は、自らの投票権を棄権することはなく、報道から埋没した陣営から政策上の共感や尊敬、実績への感謝として加藤候補に投じました。

 

さらに言えば小野田先生のポストを見て決断した部分はある。
特定候補への投票を強いる、もしくは他候補へ悪態をつく支援者を見かねて窘めたところ、ネット上ではフルボッコにあっておりました。結果、議連を辞められたという投稿もあったように思います。

x.com

 

兵庫・岡山から、我が国に誇る候補として加藤先生を支えることに何の罪があるというのだろうか。その凄惨なる様を見て、私なりに思った部分もございました。だから私は加藤候補に、万感の思いを託して投じました。

 

 

 

マーケット急落と総裁選の影響~世界の抑止力の低下

岸田総理が退陣されるからだと理解しています。
マーケット、マーケットと言いますが、相手は海外を含む「世界」です。国内事情だけではないのです。

これだけで一本書いてもいいのでしょうが、この論評は「総裁選なんてやらなくていい」という結論しかなかったので、総裁選の最中には控えました。

 

”敗戦国”の我が国としては残念だと枕詞を付すべきなのかもしれませんが、いま世界は混迷の中にあり、どのように説明しても西側諸国の盟主は米国です。そして米国のトップは認知症を公然と指摘され、任期切れです。認知症で任期切れというのが世界の実態です。退陣を表明したバイデン大統領と、誰も約束を期待しない。

ウクライナとロシア、イスラエル・パレスチナ。世界には二つの炎があがっている。これが三つ四つとなればどうなるか。

米国が機能不全となっている中で、日本のトップも変わる。しゃもじ、しゃもじとバカにする方もいる。しかし戦時下の国に、日本のトップが入ったことは戦後初めてのことであり、それなりに意味のあることなのだ。北方領土の問題があり、北海道には戦車も含め陸自もいる。日本国民は自衛隊を軽く考える節もあるけれど、ロシアからすれば(かの国から見て)東にある陸上歩兵戦力は軽視しがたい存在だ。

実は、我が国が平和憲法!と掲げてみても、実在戦力として一定のプレッシャーはかかるわけで、岸田総理のウクライナ電撃訪問は一定の牽制効果もあったと理解している。

 

今回の総裁選は長かった。
長かったのだ、通常よりも。その間においては外務大臣ならびに防衛大臣も、実態としては機能不全に陥る。よくもまぁ、この期間に何もなかったと安心したいところだが、ロシア軍機の動きや中国の動きは振り返ってみれば感じることもあるだろう。

そう、やばかったのだ。
私は怖かった。

 

世界の重し、世界の抑止力。
米国が機能不全状態で、さらに日本のトップが突然の切腹。

「おいおいおい」というのが世界の思いであろうし、マーケットの反応は当然と言えば当然なのだ。いずれの候補が当選したとして、世界からすれば「始めまして」からスタートし、新入社員として振る舞うよりないのだ。しかも米国抜きで。

 

米国の大統領選挙だが、私個人としてはトランプ氏に再登板して欲しいと願ってはいるけれども、これは他国のことなので言及しすぎれは内政干渉のそしりを受けかねない。あくまでファン的な意味合いに留めるけれど、それにしても結果については誰も分かりはしない。米国の大統領選挙を終え、一定の組閣人事などの布陣が終わり、日本のトップが交代して良いのはここまで待ってからではなかったろうか。

日米が同時に機能不全に陥る。
世界は抑止力を失う。
マーケットが反応するのはある意味では当然で、いまこの文章をお読みの方で「うわわ、どうなるんだろう」と思った方もいると思うけれど、世界もそう思ったというだけではないか。不安、なのだ。米国不在で、頼りなく見えたかもしれないが、しゃもじまで失うことが。

 

世界とは残酷で、隣国同士で仲が悪い事例など多数にのぼる。
トルコ周辺とクルドであったり、台湾と中国だけではなく紛争の火種なんていくらでもある。隣人同士のトラブルは日本国内で(日本人同士でも)普通にあるわけだけど、「ぶっ殺してやる!」と凶器を持ち出さないのは、警察がいるからでありブタ箱にぶちこまれるからだ。

見るからに一触即発の関係性があっても、日本と米国という抑止力は一定の効果を奏功してきたとも言える。ODAについては、それが借款なのだとしても金で解決するやり方に本当は疑問の私はあるのだけれども、いまは金で片が付くならやってくれ!とも思う私がいる。

それが台湾海峡沖ならば、マラッカ海峡であれば。
産油国周辺であったりインド洋であったならば。
遠く離れたウクライナでもこれだけの影響があった。
近海で、もしくはシーレーン上で、オイルタンカーが撃沈とでもなれば、今の比にならぬ物価上昇も覚悟する必要がある。そもそも物価という概念は吹き飛び、資機材が揃わず購入ができない(物流の麻痺)可能性はコロナ過で感じたわけで、最悪の場合は専売公社や配給とかまで考えねばならんのだろうなと恐怖を覚えていた。

 

内閣総理大臣は、我が国の内政を所掌する行政長である。
自由民主党の総裁とは、政権与党のトップを決める党内選挙である。

ゆえに、世界の安定のために我が国があるとは言わないけれども、国内問題として、国内政治の延長として岸田総理の総裁選不出馬があったとしても、世界の秩序が大幅に乱れたならば我が国の国民生活も同じく成立しない。

「あーあ、本当に日本のトップが変わるみたいよ」という情報は、世界にどう受け止められただろう。ロシアは、ウクライナはどう見ただろう。そもそも指揮権が不存在状態で、ある意味での漂流を続ける米国の国民や投資家はどう見ただろう。

マーケットは急落した。
それだけだ。ある意味では当然のことだと思うし、世界情勢を見ていた私の周囲からはそもそもの覚悟の思いはなされていた。

そう、端的に言えば総理大臣が変わることに、特に米国抜きの現状において相当に不安を覚えられたという反応だ。そのため誰が総裁になっても同じような反応は出たことと推論していた。その大きさには大小があれども、です。

※ 今日はこのあたりの話を、これから退任されることとなる現職閣僚の方や媒体編集部と協議しておりました。総裁選が終わったから言えること、政治の実感としてです。

 

 

 

総裁選挙の舞台裏

未確認情報という形で述べさせて頂きますが、運に近いものもあったのだろうと受け止めました。聞いてみれば納得の部分もあり、混乱もあったようだ、とも。「誰に入れたらいいの?」という混乱状態で投票の臨んだ先生もおられたように思います。このあたりはボカします。

 

石破候補vs高市候補というカードになりました。
この並びを予測していた方はネット上にはほぼおられず、例えば数週間前に「〇〇が優勢!」と言っていた方々は全員ハズれたわけです。

最初から決戦投票の形が分かっておれば事前調整もなされたでしょうが、これが土壇場で決まります。いままでならば、各派閥の領袖(トップ)が”うちには何票あるぞ”と協議して狸合戦をしていたことと推察しますが、そもそも票を取りまとめているのが誰かもわからず、誰と誰が話し合って決めるのかも不明で、そりゃ各陣営単位の幹部は近い動きはしたかもしれませんが、なにぶん急なこと。末端の先生たちまで伝令は行き届かず、「え、結局、うちは誰にいれるわけ??」とオロオロしながら躊躇う先生もおられた”のではないか”と。

 

その混乱の一つの事例として、「麻生陣営は、一回目から高市で行く」は、ほぼほぼ誤報です。少なくとも政治関係者としては誤報として扱われるべきもので、これは不利に働いた可能性が高い。

河野候補は麻生派に属しているわけで、親分が無派閥の候補に一回目から投じるとなれば流石に不満が出る。ネット保守では河野候補に辛辣な方も多くおられますが、河野議員にも大親友や友人は当然おられます。麻生派の中にも懇意にしておる先生もおられるでしょう。そもそも推薦人も出しているわけです。それを梯子を外して、「おまえらは見捨てる!一回目から高市だ!」なんて記事が出れば、河野陣営は苦言も言わねばならない。これを放置すれば、麻生派はバラバラになり相互不信にもなる。

仮に一回目から高市!というのが事実であったとしても、それは報じるべきではなかったと思うし、結果としては逆の効果を発揮する。

「飛ばし記事だ」河野太郎氏が批判 「麻生太郎氏が高市早苗氏支援」一部報道は「選挙妨害」 自民党総裁選(東京新聞)

 

総裁選の前日の夜に、麻生派としての投票行動が報道されたならば、翌日の朝においては「そんなことは言っていない、方針にない」と言わざるを得なくなるだろう。麻生派である河野陣営としては、また河野陣営の推薦人に名を連ねる麻生派の幹部からは言わざるを得なくなる。結果、本当は一回目から高市!というのが事実であったとしても、実際にはむしろ入れれなくなるわけです。

より正確に言えば、ほぼ同時刻においてむしろ逆の話も政界には出ておりました。前日の夜の報道はある意味では致命傷だったように思うのです。あくまで結果論ではありますけれども。

政治にたらればはありませんが、一回目の議員票の伸びがもう少し強ければ、決選投票の動きに違いが生じた可能性は当然にあるわけで、これが混乱と私が述べた事例です。

 

だって、誰と誰が話し合えばいいかわからないわけで、誰の指示で、誰の指揮で投票していいか不明になっていたのです。派閥がないのだから。各派閥の事務局も、固定電話もないのです。まさか投票のギリギリでLINEで「ねぇ、誰にいれる?」と聞くわけにもいかないし、よくわからないグダグダの流れもあった中、「はい、もう投票時間よ!」と行った具合で、「え。どっち、どっち?」と悩みながらの集大成がこの結果なのではないか、と。決選投票のカードが不明な中、しかも前日の報道混乱などが続く中で。あの短時間では、隅々の議員まで統制することは不可能です。そもそも派閥による拘束をやめましょうという流れの中、全体的に強い統制はとられておらず、投票時において決めた先生もおられると”未確認ながら”私は理解しております。

本当に自由投票で、手探りで。誰も分からない状況。
ある意味での混乱があったと理解しておりますが、これは国民が望んだ、メディアに煽られた、または保守論客らも否定してきた「派閥なき政治」の姿でありましょう。いま、一部の方が望んだ未来に辿り着いたわけですがどのような気分でしょうか。私は我が国も漂流状態にあるように思う。

 

ではなぜあのような結果だったのか、それも私なりには分析はあります。
正確かどうかはお読み頂いた方の判断に委ねますけれども、一定の安定を求めたのではないか、と。前述の三つ目の炎、四つ目の炎。緊迫の世界情勢については国会議員んは痛いほど理解しているわけです。”あまり新しい機軸を打ち出さないほうに”というマインドが働いた可能性は否定できない。

突然話は変わりますけれども、投票したのは議員たちです。多くの先生が選挙を戦ってこられている。私もビックリの結果だったのだけれど、何度も何度も落ち続けた石破候補に対し「一回ぐらいは書いてあげないと寝覚めが悪いかな」ぐらいの思いをもった先生もおられたやもしれない。落選に続く落選、選挙人だからこそ辛さを共有したのではないか、と。

またネットの一部では支持者の問題が取り沙汰されますが、それは一定の悪影響はあったと思います。前回、河野陣営を支えた議員からは恨みに近いものは買ったろうし、マイナスの影響はあったと私も思いはする。しかしそれは石破候補にも言えることで、のち政権を奪われてしまう結果となった麻生内閣における党内攻撃とも言える暴れ方、こんにゃろう!と思っている先生も一定数おられようし、どっちがどっちとは言えないと思う。

そもそも私は国会議員ではないし、議員票はもっていない。
総力を結集すれば、議員票1ぐらいの党員票をかき集めることができることは事実だけれども、私は今回は当落からは離れたところに身を置いて一党員として傍観するにとどめた。

だから当事者として断定的に述べることはできないし、決してそれをしないけれども、ぶっちゃければ石破候補自身が総裁選に勝てるとは思っていなかったと思う。少なくとも一週間前までは、とても勝つ候補とは自分自身でも思っておられなかったと思う。ま、そう思っている国会議員も複数いたというのは、未確認ではなく事実として記しておきたい。

 

 

 

 

組閣人事、布陣を見てからの判断だろう

前述のように内閣総理大臣とは、とても弱い。
儚い役職であり、大統領や知事・市長のように無理は効かない。ある意味では議会に隷属を強いられる立場であり、リーダーシップが発揮しえないよう制度設計されているとも言える。

我が国のリーダーは、そもそも制度上において不存在なのだ。
例外的に圧倒的な第一会派を従える等でもなければ、不可能です。

 

そもそも脱派閥(水月会を派閥と呼ぶべきかは悩む)を掲げ、党内基盤を持たない石破新総裁にとっては議会は難敵だろう。オリジナリティは発揮しようもない。

組閣人事においてどの程度、各派閥の有力者を揃えるかが命運をわけることになる。しかし、国民から古だぬきの集まり内閣と受け止められれば、次の衆院選で敗退、場合によっては引責辞任ともなりかねない。

かといって、新鮮味のある新人ばかりと登用しては党内がまとまらない。そもそも派閥がない。総裁選における混乱を見ればわかるように、ある意味での連絡網が切断されたままの状態だ。

信頼のおける同志で固める方法はある。しかしお友達内閣と揶揄されようし、そもそも石破さんの仲良しというのは党内では非主流派であるわけで、側近をそこで固めてのミニ新進党になるだけ、となる。

そもそも衆院選の看板として、どこまで通用するかも不透明なわけで、考えることは山積だ。旧安倍派から登用しすぎれば、メディア攻撃とともに国民からの信頼はさらに失墜する。

さらに厳しいことを言えば、組閣人事における絵図が恐らくないとまでいう方もおられた。勝つと思って戦い続け、数年をかけてあの人を大臣にしようとか党三役にしようと構想していたならば別にして、もはやそういう準備もないからこれから考えるのではないか?という声もあるわけで、それは裏返しにいえば石破新総裁と特に人間関係がない先生だという証左でもあるのだけど、党内にめっちゃ仲良しがたくさんいるというわけでもない。人となりもよく分からないという人もいる。これ以上書くと悪口みたいになってしまうので控えるが、ちなみにそれは高市候補にも同じことは言われてはいた。

 

いずれにせよ実務を担当するのは、各担当省庁の大臣らになるわけであり、組閣人事とその布陣を見て見なければまったくわからない。石破内閣がどのような内閣になるのか、長期政権になるのか短命におわるのか、保守色を帯びた人事になるのか、もしくは狭き友人関係のみで固めるのか。

誰にも分からないし、いまの時点では誰にも評価などできようもない。
もう少し書こうかと思ったけれども流石に長くなったのでこのあたりで。

 

とはいえ、耳目を集めることができるので、始まってもいない政権に対して「日本は終わった!」と喧伝することは楽なビジネスなんだと思う。しかも有権者も読者・視聴者も一定層が信じてくれ、付和雷同してくれてアクセスが稼げるのだから、何の確証がなくとも「日本は終わった!ととりあえず言いたい人々」もおられるのだろう。何回騙された気が済むんだろうか、本当に彼らの言っていたことが現実になったことありますか?

私のスタンスとしては、自らが掲げる政策を推進できるよう、精一杯、二等兵として戦線を維持するのみ。あとは内閣の布陣であったり、政権運営を見てから都度都度の反応をしていきたく思う。無論、厳しい論評をする可能性はあるわけだけど、それは政権としてファクトが出てからになろうかと思う。

末尾になるけれども、一生懸命に戦った各陣営に、各候補に、支えた支援者らに相互に敬意を払っていただきたいと願う。切に願う。でなければ、各総裁候補は入閣の可能性など、これからの政治生命があろうと思うのだけれどもね、応援した先生らの政治生命のテロメアを削り取ってしまうことになるのだから。次期に再起を企図する方こそ、各候補、各陣営に特段の配慮を求められるのが政治の実情なのだということを書いて本稿を締めたいと思う。

全ての候補に、全ての党員に、全ての国民に。
我が国の国家安寧を祈り、我が党の総裁選挙を戦い抜けたことに敬意を表したいと思う。

 

 

 

現在(令和5年12月)進行中の最優先政策です。僅か6ページの漫画を含む資料集積用の特設ページです。是非お読みください。

【漫画でわかる外国人特権】年金を解約でき一時金をもらった上に、老後は生活保護を受給することもできる衝撃の実態

 

 

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  1. カルライン より:

    >そう、端的に言えば総理大臣が変わることに、特に米国抜きの現状において相当に不安を覚えられたという反応だ。そのため誰が総裁になっても同じような反応は出たことと推論していた。その大きさには大小があれども、です。

    岸田総理が不出馬表明した8月14日の日経平均終値は「36,442円」
    総裁選直前の9月27日午後3時の日経平均終値は「39,829円」

    この期間に「3,387円上昇」です。
    日本の総理が交代することによるショックは…起きていません。(総理交代ショックが起きるとするなら、岸田総理不出馬会見の直後に起きるはず)

    マーケットの見方はどちらかというと「(総理が交代しても)日本は終わらない、そして大きくは変わらない。」というかんじだったように思えます。

    マーケットの急落は
    「高市総理期待(アベノミクス相場の再来期待)」が破れたから…ですかね?

    直前の9月26日(+1,055円)と9月27日(+903円)
    特に9月27日は「中配当権利落日」で一般的には安くなる日なのに…逆行高ですから、かなり強かった。

    マーケットは、世界情勢がどうのこうのよりも、もっと直接的に…
    「石破→金融政策タカ派(金融引き締め、金利引き上げ)、金融所得課税」
    「高市→金融政策ハト派」

    で、石破総理だったので→「NO!NO!」ってメッセージを送ってきた。それだけだと思います。

    これと同じことは「岸田総理」の時も同じことが起きたはず…

    そもそも「石破勝利→円高」ですからね…「円が買われた」わけで…
    ガチで日本が危ないとマーケット(海外の超大金持ち)が考えたのなら…「円は売られる」はずです。

    それはそうと…
    決戦投票における都道府県票(党員票)を見るに…
    https://storage2.jimin.jp/pdf/news/information/209085_4.pdf

    都市部→高市
    農村部→石破

    という風にきれいに分かれたな…というかんじでしょうか。

    首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)→全て高市
    東北では唯一宮城県(仙台)が高市、他は石破
    愛知(名古屋)高市
    大阪、京都、兵庫→高市(奈良は地元なので高市なのは当たり前)
    四国は香川が高市、他は石破
    九州では福岡、長崎が高市、他は石破

    広島県、長崎県が高市だったのは…結構印象的です。

    自民党員の民意について、10年ぐらいかけて、変化してきている気がするし…
    従来の「国民の意識」みたいなもののイメージは、実態とずいぶん違うのではないかという気もします。

    昭和の頃は「農村部→自民党支持(保守派)」「都市部→社会党支持(改革派)」みたいなかんじで、その頃のイメージを未だに引きずっていると(そういう人は、結構いそう)…だいぶ違うと思います。

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