令和5年10月30日において、稲田朋美衆議院議員の議員事務所より「脱退一時金の制度運用の実態」が報告された。市長会は法定団体であり、地方公共六団体のひとつ。福祉制度に対して改善すべき問題が、また財政運営上の懸念点があれば、公式に国に要請を行うことができる公式の組織でもある。
今回の問題は、各省庁がバラバラに発出していた法定受託事務に問題が集中しています。これは国が法で定めたものを(例えば下請けに投げるように)「事務要領」というルールを課し、行政サービスを実施させているのです。やらされるのは自治体なのですが、複数の法定受託事務が複雑に絡み合った結果、このような謎の運用になっていたのです。
全国市長会とは、全国すべての市長が参加するもので、内部は委員会制・ブロック制をとっているそうです。中には福祉制度や厚生関係を取り扱う部門もございます。全国9ブロックに分かれているようですが、私は市長ではないので詳細はわかりません。実際に法定受託事務に基づいて、執行するのは市長たちなのです。
自由民主党を代表して質問を行った稲田議員より、本件制度の実態について全国市長会幹部および谷畑英吾・元副会長に報告がなされた。当職も同席しました。
この場をもって今まで伏せていた、国側のレクの中身の大部分が開陳されました。
この日まで伏せていた情報が多々あります。
立法権を代表し、質問に立った国会議員から、
現場で運用する市長会に、公式に伝達がなされたのです。
本来ならば全国市長会は、”なんてザルを運用を!”と激怒してもいいところですが、
代表質問まで行い、すでに国側から答弁を得ていることもあり、「ともに改善を」という方針で協議はまとまりました。
同席者の手記をもって、本協議の中身、その会議録として紹介させて頂きます。
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協議録
敢えて「協議録」という呼称でタイトルを振ってみました。
実際にFBに投稿されているものですが、これは単なるネット上の書き込みとは異なる重みを持ちます。
かつて全国市長会において、元副会長を務められていた谷畑英吾先生による投稿で、「私はこう聴きました」という、私以外からの第三者的な投稿です。詳細な解説は、次項に記します。
解説
前述投稿の意味を、私なりに合いの手を入れながら解説いたします。
(注釈)と書いているのが私の追記か所です。
【とある稲田事務所で】
昨30日15時から衆議院第二議員会館の稲田朋美代議士事務所を小坪慎也行橋市議会議員とともに訪れました。ここには有力市長と稲田代議士の夫である稲田龍示弁護士も同席しました。
案件は外国人に関する年金脱退一時金の問題です。この問題は地方自治体においては今後リアルに地方財政を打撃しますが、これまであまり関係者には知られてきませんでした。
(注釈:ここは重要で「地方財政を打撃する」と明言している点に着眼。市長会の元副会長としての言葉は重たいです。かつ代表質問の報告を受けての投稿においてスタンスを明確に示しています。地方行政にとって問題の本質はここです。)
脱退一時金とは、在留外国人が国民年金や厚生年金保険の被保険者資格を喪失して日本を出国した場合に請求することができるお金のことです。
これは小坪議員が長い期間をかけて実務的な裏取りを積み重ねながら実態に迫り、行橋市議会の本会議場において行橋市当局から言質を取ったところから表に出てきた問題です。
(注釈:行橋市議会 令和5年9月定例会 一般事務に関する質問・速記録)
極めて簡単に言えば、日本人には掛金納付が義務付けられている年金について、外国人であれば帰国時に年金から脱退した場合、掛金の一部が脱退一時金として支給されるというものです。
(注釈:我々は外国人攻撃にしたいわけではなく、むしろ恐れてさえいる。純粋に日本人労働者に対する不公平な運用、差別的な運用実態について是正を求めている次第です。特に市長会については、地方財政の最前線として財源論から取り組んで頂きたいというスタンスであり、これは納税者に対する在り方として協力を要請するものです。)
これだけの説明であればふーんと聞き流すところですが、実は脱退一時金を受給した外国人が再び入国して就労しているという事実が明らかとなり、物事は深刻になってきました。
つまり、脱退一時金を受給して脱退したはずの外国人が再度入国して年金に再加入しているのです。この外国人は、帰国時に年金を脱退してまた脱退一時金を受けることになります。
そして再入国。これを繰り返していくと、年金支給年齢に達した高齢外国人は無年金もしくは低年金状態となり、多くが生活保護の受給対象者に雪崩れ込んでしまうのです。
(注釈:非常に簡潔にまとまっていますが、ここで問題点の多くが述べられました。これを代表質問を行った国会議員と協議している以上は、地方財政上の問題点の共有ふくめ、相互理解がなされたという政治的な意味合いがあります。)
果たしてこの対象者はどのくらいかというと、過去10年間で72万件という数字が小坪市議の質問に対して行橋市当局が調査して答弁したことで白日の下に晒されてしまいました。
(注釈:この72万件という数字は、国勢調査ベースのものであり、実は地方議会の一般質問において積算することで初めて公式に出てきた数字になります。脱退一時金の裁定件数のみが明らかとなっており、裁定された”件数”のみです。なぜ件数については明らかにできたかと言えば、年金機構において脱退一時金の申請に伴う予算は執行されているからであり、同じく使われた件数も公開されているのです。国民年金・厚生年金ともに公開はされていました。議場で質問を行い、答弁を得ることで初めて表に出たわけです。)
現在のところ、外国人が年金脱退一時金を受給して再入国することは妨げられていません。むしろ特定技能など範囲の拡大した熟練労働者として多くが再入国しているものと推測されます。
こうした外国人が入国する際には就労ビザや留学ビザであっても、やがては永住資格を得ることができます。しかも問題なのは永住資格を持つ外国人も脱退一時金の受給対象者なのです。
(注釈:多くは就労ビザなどで入国し、また脱退一時金の申請者も就労ビザのままでありましょう。永住資格とは、もはや都度都度の更新がなく永続的に日本に住む蓋然性(がいぜんせい)が高く、米国でいうところのグリーンカードに相当するものです。ずっと日本に住む方であれ、年金が解約できてしまうことは問題で、無年金かつ在留を続ける方は、将来的な生活保護予備軍と言って差し支えありません。代表質問においても、実は取り上げられている点であり、この部分は公式に議会(国会)で指摘済の部分です。)
72万件すべてが対象ではありませんが、このうちの相当数が年金脱退一時金を受給しながら再入国を繰り返し、無年金もしくは低年金から最終的には生活保護の対象者になりかねない恐れがあります。
この生活保護の財源の4分の1は基礎自治体の負担となっています。しかし、これまでこの問題は基礎自治体には知らされてきませんでした。今後、自治体の経常経費が増加することは確実であるにもかかわらずです。
なぜこのような事態に陥っているかというと、外国人の出入国管理と在留管理は法務省出入国在留管理庁が、年金制度は厚生労働省年金局が、生活保護は同省社会・援護局がそれぞれ縦割りで所管しているからでした。
(注釈:この点からも明らかなように問題の本質は法定受託事務が、各省庁からバラバラに発出されているからであり、省庁単位では整合性がとれた制度であっても、それが地方行政に同時に発出された際の整合性がとられていなかったと考えています。また、地方行政で執行する法定受託事務の問題であれば、この制度の瑕疵は地方議会で問い質すことを起点とするよりなかったのです。)
そこで小坪議員は稲田代議士に事情を説明、事態を重く見た稲田代議士は厚生労働省、出入国在留管理庁からそれぞれ事情を聴き、状況について報告を受けました。
(注釈:この複数回のレクは私も参加させて頂いており、地方行政サイドでは断定し得なかった各種の制度欠損について国側に事前に質問することができました。さらに酷い運用実態も一部では明らかになりました。この中身については、今後、明らかにしたいと思います。本稿では、これでも触りにすぎません。)
その報告に基づき、稲田代議士は10月24日に衆議院本会議での自由民主党・無所属の会の代表質問の際に外国人の年金脱退一時金問題について政府に問いただしました。
それに対して武見敬三厚生労働大臣は、この問題は制度の運用の狭間で生じる課題であり、関係省庁とも連携しつつ必要な改善を図ることは重要であると答弁したのでした。
また、武見大臣は、必要な実態把握を行いながら、在留資格に関する議論の状況等も踏まえ、次期年金制度改革改正に向けて必要な検討を行うとまで踏み込んで答えました。
【代表質問】国権の最高機関である国会にて、政権与党として脱退一時金について稲田朋美幹事長代理が質問。武見厚労大臣が答弁(令和5年10月24日 第212回臨時国会)
ここまでで小坪議員は国政与党を動かしながら、省庁が分立する政府の統一的な答弁を引き出すことに成功しました。しかし、これで物事は終わりではありません。
これから個別具体的な課題を複雑な制度の改正に一つひとつつなぎ直していかなければならないのです。その個別具体的な課題を抱え、財源負担までさせられるのが全国の自治体です。
地方六団体のうち議員サイドの3団体についてはこれから順次意見書の審議採択が全国的に行われていくことになります。その一方で理事者側の3団体が真剣に動く必要がありました。
(注釈:そう!まさにそう!だから市長会からの協力をお願いしたわけで、その場がこの日になります。)
とりわけ現場を持たない全国知事会と自治体規模が比較的小さい全国町村会は除いて、ターゲットとしたのはわが国最大の政策シンクタンクでもある全国市長会でした。
首長たちの理解と協力がなければ個別具体的な課題を一つひとつ制度改正につないでいくことができなくなります。首長とりわけ市長会との連携は喫緊の課題でした。
(注釈:ご指摘の通り、都道府県は現場をもたず、また町村については生活保護費については大きな財政負担とはならない仕組みで、理事者3団体のうち最も関係性が深いのが市長会でした。今後残る2団体からの協力も得たいところですが、短納期で改善を急ぐのであれば何より市長会との協調歩調は重要です。)
そこで、全国市長会副会長経験者である私が小坪議員とともに有力市長を伴って稲田代議士からこの問題の深刻さやこれまでの省庁ヒアリングの様子を直接聴くことになったのでした。
小坪議員は開口一番「この場ができたことだけで感無量です」と述べました。一地方議員の一般質問から元国務大臣が動き、与党の代表質問につながり、首長サイドに状況が共有される端緒にまでたどり着いたからでした。
(注釈:そして谷畑市長が速記録を徹夜で起こしてくれたこと、またこの場に同席してくださったことを深く感謝いたします。私一人で準備できる資料の規模ではありませんでした。また、本稿では秘密としておりますが、市長会の幹部も同席しております。本当に感謝しております。)
その場で稲田代議士の口から説明を受けた内容は、おそらく全国の自治体にとっては初耳でありなおかつ衝撃的なものであろうと思います。しかも迫っているのは静かなる危機なのです。
その危機の元は出入国在留管理という国の事務から始まり、国民年金制度という法定受託事務を経て、最終的には生活保護という法定受託事務に結実します。自治体には裁量の余地がないのです。
それなのに、自治体に裁量の余地のない制度に則って増加する可能性の高い財政負担は、このまま放っておけば必ず自治体財政に深刻な危機をもたらす規模になるのです。
ところが、今すぐの危機でないために、その危機感を共有するためには困難が伴います。そこで稲田代議士から各省庁に問いただした内容について詳しく聞くことで危機感を共有する必要がありました。
(注釈:ここで市長会に対してなされた報告は、本当に深刻であります。また、これはネット優先で情報発信をできなかった事情の一つでもありますが、質問者から直接、地方行政のトップに伝えて頂くことを正本とするより他に道がないわけです。この情報は、市長たちに報告された瞬間をもって真実になるものであり、ここに書かれた協議録、いまお読みの文章がまさにそちらにあたります。)
まずは、なぜ永住者にまで年金の脱退一時金を支給しているのかという問題です。永住者というのは日本人同様日本国内を終の棲み家とし、わが国の社会保障制度を利用する蓋然性が高いはずです。
しかし、日本人と同様に社会保障制度の対象となり得るにもかかわらず年金の納付義務が免除される脱退を繰り返し、挙げ句の果てに無年金や低年金高齢外国人を量産して生活保護対象者を増やしかねないのです。
(注釈:まさにネット上でも何度も指摘されていた部分です。この部分に対する国側答弁を市長たちは立法職(国会議員)から得たのでありました。)
それに対する国側の見解は、 脱退一時金制度が創られた当時、永住者は日本国籍を取得せず他国の国籍を有するので老後を日本で暮らす蓋然性も含めて日本人と完全に同等に考えることが難しかったためと考えられるということだったそうです。
「考えられる」すなわち、制度が創設された当初の関係者は既にいないために現在の担当者が推察できるのがそういうことではないかということです。しかし日本で暮らす蓋然性が高いからこそ永住者なのではないかと不思議に思います。
(注釈:ようは苦しい回答しか得られていないというわけなのですが、実はレクにおいて「そもそも永住者に脱退一時金の申請を許し、結果として無年金外国人を量産している実態は、法の趣旨に反するのではないか?」という当職の質問に対し、また稲田先生も同様に強く指摘してくれたのでありますが、これは厚労省も非を認めており、なぜ支給されているのか経緯を調査したいとしており、法の趣旨に反する運用になっていることは実は国側もほぼ認めています。ゆえに、この個所については改善の可能性が非常に高い。また、ここを塞ぐことでかなりの部分の運用改善が見込めます。ちなみに改善案は複数本あり、まだまだやります。解説を続けます。)
その疑問は解けませんが、永住者も含めた外国人の年金脱退一時金の裁定件数は過去10年で72万件にものぼっているということが小坪市議の質問に対する行橋市当局の答弁で明らかとなっています。
問題は永住者も含めてこの72万件の脱退一時金の支給を受けた外国人のうち何人が日本に再入国しているかです。特定技能も含めて一旦帰国したとしても日本で熟練した労働力は日本企業に引く手あまたでしょう。
だからといって、脱退一時金は帰国して本国の社会保障につなぐために日本での納付分の一部を一時金として返す制度ですから、再入国を繰り返して最終的に日本の社会保障制度にフリーライドしてその持続可能性を損じてもらっては困るわけです。
なので、72万件の脱退一時金の支給を受けた外国人のうち何人が日本に再入国しているかが大事なのですが、厚生労働省では入国者のデータを有しておらず把握していないといいます。
(注釈:年金の解約を許している厚労省が、把握していないというのは、かなり衝撃。ここも稲田先生の厚労レクでとっていた答弁です。市長会もビックリしていました。)
これはなかなか衝撃的な回答です。常識的に全件が再入国してはいないだろうと考えたとしても、把握していない以上、最悪の場合は72万件すべてが再入国している可能性も排除できないのです。
すなわち、最大72万件、多少割り引いたとしても、近い将来、どれだけのインパクトで地方財政に生活保護の負担が覆い被さるか、国では予測するための数的根拠を持っていないということなのです。
(注釈:どの自治体が、どれぐらいの財政負担を強いられるか将来見込みが不明というのは相当にヤバい状態です。ちなみに把握できない本当に理由というのは、レクで明らかになっているのですが、そちらはさらに衝撃的なものでした。)
これは極めて深刻な話であり、人口減少とりわけ生産年齢人口減少で、将来的に担税力が激減していくであろうと容易に予想できる自治体が、新たに相当な外国人の社会保障負担を抱え込まなければならないのです。
実は、年金脱退一時金の受給を繰り返したうえで現在生活保護対象者となっている人数についても、国は把握していませんでした。生活保護の資格審査に脱退一時金の受給の有無が要件とされていないからです。
(注釈:こういう実務的な質問が多数繰り返されていきました。私も相当に言わせてもらいましたが、淡々と国側の状況を報告する稲田先生は流石弁護士という感じで格好よかったです。問題点を網羅しており、どのような質問にも瞬時に答えていました。ベテラン市長vs元大臣、一般質問のエキシビジョンマッチみたいに考えるとドリームカードみたいでした。)
このままであれば必ず迫り来る財政危機について、ここまでその実態が見えていないというのは、今後の自治体財政経営を担う首長たちにとっては恐怖以外にありません。
(注釈:凄まじい量の言質をとっておりました。そして稲田先生はそれだけ国側と協議して問題点を洗い出し、つまりは改善のための努力をすでにしていたということです。市長たちも納得せざるを得ないほどに。)
予測可能性があるからこそ今の政策決断ができるのであり、今後確実に財源を削がれるのにその額がわからなければ現在の投資をいくらして将来に基金をいくら残せばよいかの財政計画も立てられないのです。
それではなぜこのような状況になっているのでしょう。脱退一時金は外国人の送り出し国の社会保障制度との隙間を埋めるための暫定措置であり、社会保障協定が締結できればそうした措置を撤廃してもいいはずです。
ところが、現在でも社会保障協定を結んだ国の外国人に対しても脱退一時金が支給され続けているのです。これはなぜなのかと聞くと、各国で制度がまちまちなので協定締約国だけを除く制度になっていないとの答えがあったそうです。
(注釈:この個所については相当に強く、国側にも指摘がなされていたようです。正直、制度運用上の大問題です。さらに衝撃は続きます。さらっと書いておりますが、下記の国籍データを得ることができたのは大きな成果です。ちなみに私が同席した国側との事前レクで明らかとなっていたものです。)
それよりも驚愕だったのは、令和3年9月末時点での脱退一時金の請求受付件数を請求者の国籍別に見たところ、最も多いのが中国で、次いで多いのがベトナムということでした。
(注釈:ときに特別永住者を指摘したい方がネット上には多いと思いますが、脱退一時金については永住者の問題であり、申請の国籍別データが一位中国、二位ベトナムというのはネット上のみならず自治体にとっても初出のデータです。)
年金加入期間の通算規定が設けられていない中国は在留者数としてはダントツで最大であり、社会保障協定が結ばれていないベトナムは2020年に韓国を抜いて在留者数が2位に躍り出ました。
(注釈:財源論として指摘するならば、この二か国の流入状況をしっかりと調査することも重要でしょう。上記の二か国の労働者を多数受け入れいる企業が、どのような運用をしているかの実態把握も必要だと考えます。ちなみに私を叩きまくっていた方の一部は、ベトナム人の労働者を就労させている法人の方だったりします。)
こうした数は今後ますます増えていくことが予想されますし、すでに国内で在留している外国人が脱退一時金の受給を繰り返すことで将来的に無年金もしくは低年金に陥る可能性は高いといえます。
(注釈:ここを断定できるだけの論拠を固めるための協議でもあったわけです。市長サイドがそう断言するためのファクトが必要であり、国会議員から市長会に伝えて頂く必要がありました。)
たちまちの原因は出入国在留管理庁と年金や生活保護を所管する厚生労働省が互いに自分たちの論理で別々に動いてきたからであり、それに対するひとつの答えが武見大臣の答弁でした。
大臣が関係省庁とも連携しつつ必要な改善を図ることは重要であると答弁したことから、今後は省庁間の垣根が下がり、状況把握や改善策の検討も前に進むかもしれません。
(注釈:武見大臣の答弁は、相当に熟慮されたものであり市長たちも「よくぞ、ここまで答弁を」と感動もの。答弁においては厚労省も入っていることは当然で、つまりは厚労省も改善には前向きだと推察しています。)
例えば年金局が所管する脱退一時金をもらって帰国した外国人は出入国在留管理庁が再入国を禁止しなければ制度の趣旨を損なうばかりか他の制度に大きな歪みをもたらしています。
(注釈:いま赤字にした個所は重要で、実はどう改善したら効果が高いだろうかという具体的な話も実はしておりまして、脱退一時金の制度そのものは廃止はしないが(相互主義などでひっかかる)、使った方は二度と日本に来ないという意味なのだから、再入国、特に就労に制限をすることは効果的ではないか?というのは実は私の案です。観光ビザなど短期のものは日本にお金を落としてくれるのは良いのですが、年金を何度も繰り返して就労という無限連鎖は断ち切りたいと考えており、この改善がなされれば外国人を安価に使い潰したい派遣業者は非常に困るわけです。ちなみに具体的な改善案は複数本を持って行っており、そういう会議もしています。実現可能性も含め、それぞれ持ち帰ったという感じであり、今後、協議のうえで取りまとめていく形になるでしょう。地方議会側の関係者での、内部とりまとめがいま進んでいる状況で、市長側はどう反応するかはわりませんが、立法側の見解は示したいと思います。11月の末までには公開したいですが、こちらもネットを優先できませんので、リアルでの内部とりまとめを優先させてください。)
また、本来的には日本人と同様に社会保障制度の対象となり得るにもかかわらず年金の脱退一時金の受給対象になっている永住者の問題は社会・援護局が所管する生活保護制度を圧迫するのです。
こうした枝葉でひとつずつ別々の制度をつくり、それぞれが矛盾していてもその矛盾を呑み込めたのは経済や税収が右肩上がりの時代でした。今はそこまでの余裕はわが国にも自治体にもありません。
この問題を国だけのものとせず、地方自治体サイドでも我がごととして取り組み、正面から対峙しなければならない深刻さを感じることができた稲田事務所の訪問でした。
(注釈:最後の文章の重み。国側で制度の瑕疵を指摘する質問がなされたわけですが、これは政権与党である自由民主党としてなされたものです。通常は首長ら、地方行政は置き去りにされることが多いのですが、質問者が地方行政にきちんと報告し、改善のプロセスを共に踏み出していくのは本当に画期的なことです。)
全国市長会と、省庁
ある意味での圧力団体と言ってもいいかもしれませんが、そのような言い方をすると怒られるような気もします。
地方公共6団体というものがあり、これらは法定団体と言われ、団体の設立に根拠法令があります。
そのうえで、理事者3団体とは、都道府県知事で構成される、通称:知事会。市長で構成される、通称:市長会。町村長で構成される、町村長会があります。
議会側には同じく都道府県議会議長会、市議会議員議長会、町村議会議長会などがあります。
先ほど理事者3団体と言いましたが、ここで出てくるのは法定受託事務です。
コロナの給付金なども自治体ごとに速度のバラつきがあったと思いますが、これは自治体の職員数など、自治体のマンパワーの差です。
国が決定し予算をつけたとして、その予算の行先は地方自治体なのです。
ルーティンになっているものもあり、それが先ほどの法定受託事務。
ストレートに言えば、下請けに発注したみたいな状況です。
国と、地方自治体を、敢えてゼネコンと下請け業者に置き換えてください。
無理な設計や無理な納期を迫ってくることもあるわけです、発注元が。
また値段が明らかに異常に安く、それでは職員数が不足するなどの場合もある。
で。
「こんなの予算があわねぇよ」とか「この納期でできるか!」と稀に下請けはブチ切れるわけです。
最終的には下請けが怒って、ゼネコン側に反乱を起こす場合もあるし、「無理ぽ」と断念することもあるわけですね。
そのため各省庁は、市長会の動向には敏感です。
で、市長たちは、最悪の場合は一揆に近いことを起こしたこともあります。
財務省が発出済の文書を書き換えさせられたこともあり、ネット上では財務省=無敵とされますが、実は市長会に対してはそうでもなくて。
「この金で、こんな行政サービスやれるかぁ!」と、突き返させることがあるわけですね。
そんなことができるのかと言えば、それが法定団体の強みで、法でそれが許されている。
特に理事者3団体の破壊力はすさまじく、絶対に軽視できない存在なのです。
国側に、制度の瑕疵について異議申立てをする権利は、地方自治法99条により、地方議会が持っています。
しかし最終的なトドメは、実際に現場を運用している地方行政がもっているわけで、市長たちも共に行動するとなると「制度改善がかなり現実味を帯びる」というわけです。
市長会を圧力団体のように言うと怒られそうだとは言いましたが、地方議員からみると(たまに国と衝突している)市長会とは「おぉ、行きおった・・・」という感じで、ざくっと突き刺してる姿を横目に見てますから、個人の所感としてはやっぱりそんな感じです。
個々の市長の、国側への発言力は大きくはありません。国道の改修や橋を治してくれ等など、要望も多々あり、「持ちつ持たれつ」というのが実態で、市長個人は国側への低減力は高くはありません。山の中の、小さなお地蔵さんぐらいの力しかありません。しかし、市長会には800名の市長がおりますが、群れたお地蔵さんの大群は、国側でも対処できないぐらいの戦闘力をもっています。
その中でも特に、地方公務員から市長になった方や、市議から市長になった方もおられ、4期とか5期とかやっている市長は、イメージとしては猫又みたいなもので、官僚と直接対峙しても引けを取らない戦闘力。
実は、代表質問に関する報告を、市長会が受け取ったというのは、
これは「会った」というだけで政治的なインパクトが凄まじいものであり、セッティングして写真に納まったというだけで、ある意味では一つの結論なわけです。
市長会まで動き、代表質問まで行われて、すでに答弁が返っているのに、
何も改善されないでは格好もつかないし、それこそ市長たちの叛乱が生じる。
今後は何を調査するか、何をどう改善するかというフローに入っていきます。
それとは別個に、地方自治体から声を挙げる必要はあり、そのためには地方自治法99条に基づく意見書の数を揃える必要があります。
そちらは私の責務になりますが、この度の市長会の臨席により、一気に状況は加速しました。
未公開扱いとなった動画
実は、この場で撮影された短い動画があります。
いまはお蔵入り、一時的に非公開とせざるを得ませんでした。ちなみに悪い理由ではありません。
市長会の幹部も、身分を名乗って思うことを述べているのですが、動画の内容が「現状とマッチしない可能性」が出てきたのです。
ストレートにいうと、協議冒頭で撮った動画と、協議後の状況に変化がありました。
悪い理由ではないと述べたのは、協議の結果が凄まじく進行したため、ようは改善案の素案なども複数が提示されて、一定の相互理解がなされたり、または各団体の意向などを再度取りまとめたいという形で持ち帰りになったのです。
えっと、想定以上に協議の成果があがってしまったため、内部調整を再度かける。
そのため冒頭に撮った動画では不足している個所も想定され、そのままアップするよりは、一旦はリアル側の調整を再度やらせてくれ、と。
ゆえに、この場に登場していた現職市長の身分も、名前も、一旦は非公開にさせて欲しい、と。
まったく悪い意味ではなく、本件に関しては会を代表できる立場の方が臨席してくださったのですが、より大掛かりなことを検討したいので、持ち帰る、と。
さきほどの協議録の時点で「うぉぉお」というぐらいにお腹いっぱいかと思いますが、えっと、まだ全く書いておりませんで、
実際に国側の制度運用というのは、もっと何か所も報告がなされておりまして、要撃の実態というのはもっと凄まじいものがあります。
そのあたりは、かなり書ける範囲が広がったから書いていきたいと思いますが、まぁ、楽しみにしておいてください。
どれぐらいのレクを打っていたか、「ザルな運用を国側はしやがって!」と怒り狂っても良いはずの市長会が、『共に改善を』と協議がまとまるぐらいのことを、ちゃんと国会議員はしていたわけです。
そのあたりは追々、公開していきます。
(このエントリーも、どの深さで、どれぐらい公開すべきか非常に迷いましたもの。)
現在(令和5年10月)進行中の最優先政策です。僅か6ページの漫画のため、是非お読みください。
【漫画でわかる外国人特権】年金を解約でき一時金をもらった上に、老後は生活保護を受給することもできる衝撃の実態
「そんな制度あるわけない」から始まり、
地方議会で数字が明らかとなり、
制度解説が間違っている!という指摘から
代表質問で、大臣から答弁を得て、
政治家は言うだけで改善なんて無理だ!と言われましたが
市長会が動き事態は急展開を見せました。
表に出してから二カ月程度、もはやネット上でこの問題を知らない人はおりません。
公開当初から納期を三カ月程度と絞っておりましたが、できればそれぐらいの速度感で改善したいですね。
それを長いと思う方もいるかもしれませんが、国の制度は全体に影響しますので、
きちんと変えようと思えば、これぐらいの負荷はかかるものなのです。
言うだけでは変わらない、だからこそ汗をかく。
背戸の改善を求める方は、FBでのイイネ・シェア、Xでの拡散をお願いします。
※ 恐らく表示される人数が極少数になると思うので、とりあえず「見えた」人はイイネをお願いします。一定数がないと、タイムラインにあがらないと思う。私のアカウントの場合は特に。
一歩、前に出る勇気。
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コメント (頂いたご意見は、他SNSに比較し最優先で目を通しております。)
>国と、地方自治体を、敢えてゼネコンと下請け業者に置き換えてください。
実にわかりやすい例えだと感心しました。
「全国市長会」の存在の重さが良くわかりました。
この重さがわからないと、ここまで来た結果の意味も重さも凄さも理解出来なくなると思いました。
「結果を出せよ」「結果を見せたらな」
まだ途中経過ではありましょうけれども、大きな結果であると私は思います。
「国」「国会」「政府」にばかり気をとられていると、出ている結果も視えなくなると思います。
小坪氏に、「地元のことをしろよ」と説教なさる方々。
これは、国のことでもあり、地元のことでもあります。
国のことは地元のこと、地元のことは国のこと。
別のことではありませんから。
そして、地元のことを軽く見て、
地方自治体や地方自治体職員や地方自治体首長、地方議会議員を
下に見て、軽く見ているのは、「地元のことをしろよ」と説教される方々の方ではないでしょうか。
以上 文責 BLACK
外国人に生活保護を支給するのを、取り止めれば良いだけの事ではないのですか。
生活保護は国民のための制度なのだから外国人生活保護を廃止すれば良いのに、何故これからも継続されるのでしょうか。財政負担・医療費の全額負担が広く認知されるなら、無党派の一般有権者も今まで通りの継続に反対するでしょう。廃止できない事に「深い闇」を感じます。
(厚生労働省か。政治の方か。問題を敢えて報じてこなかった報道機関か。)
岸田政権の支持率大幅低下の原因は、一つには外国人・性的少数者優遇政策が多数派日本人に不利益をもたらす印象がある為だと思います。これでは保守層が政権に対し不支持となるのも仕方ありません。
小坪市議、これはやはり偉業です。
1)小坪市議が、この致命的な制度の欠陥を発見されたのが【偉業の1】
2)改善の為の調査を一年掛けて練り上げた事が【偉業の2】
3)改善の為に必要な【行橋市議会に於る[事は真実である]言質を取った質問】←【偉業の3】
4)同時に、全國の地方議員と國会議員に根回し。【偉業の4】
5)特に、立場の異なる稲田朋美代議士を、味方に抱き込んだ手腕とそれを強力に支えた【谷畑氏】の尽力。【偉業の5】
6)事の重大さに気付き、小坪市議の味方について、静かな全國的運動にした同志各位。【偉業の6】
これ全て【救國の偉業】ですよ。全國の愛國者が、一致団結して【救國】に邁進して行くその【静かな勇姿】…美しい。是非、しっかり成就したいですね。
私は、生まれてこの方、この様な【我々國民の一致団結】を体験した事は皆無です。
それに、その静かな事!外國ならば、【暴動に堕ちるデモンストレーション】を騒々しくやって、それでも『余り改善されずに其の儘になって、又、その不満が…同じ事が、馬鹿みたいに繰り返される… 』
何と、非生産的な!
翻って、『何故、我國が【非生産的なデモ】から逃れられているのか?』
小坪市議のこのエントリーで『ハタ!』と気付きました。
【合法化された一揆の仕組み】が統治機構に組み込まれているからだ。
國の理不尽な【ゴリ押し】に【市長会】等の地方が『合法的に反抗出来る仕組みが整えられているからだ。』
翻って、その様に【合法的に反抗出来る仕組み】を使い、最近の【岸田総理大臣の無茶なゴリ押し】の罪を濯ぐ【猛毒LGBTQ法の毒消し】を、
稲田朋美代議士を初めとする【推進派】にして頂きたいですね。
私としては、【猛毒LGBTQ法の毒消し】が成れば、稲田朋美、新藤義孝、古屋圭司各氏の
國民、取り分け【自然女性の権力】を蔑ろにした罪の【禊】になると考えます。
「脱退一時金をもらって帰国した外国人は出入国在留管理庁が再入国を禁止」
最高です!
近所の公園でたむろしてゴミを捨てていく外国の方々、
税金までただ乗りされたら仲良くしようがありませんからね。
全国市長会が本気で動き出すのですね。
谷畑市長が稲田事務所に連れてきた方は、幹部といっても相当なキーマンではないでしょうか?
全国市長会と自民党が連係して国難を乗り越えることは、
選挙を控えた今最高のタイミングであり、稲田朋美議員は自民党の勝利の女神になるかもしれませんね。
また生活保護制度を維持するために、本当に残念ですけど、
「脱退一時金をもらった永住者は、その資格を喪失」 せざるを得ない状況ですね。
本日のエントリーからは、議員、長それぞれの政治家の部分(魂)に火が着いたような印象を受けました。
縦割り行政のそれぞれの曖昧な部分を先延ばしにしていれば、火の粉を被る事もないの減点主義の弊害でしょうか。
中島みゆきさんの歌”糸”のように、縦の糸と、横の糸が織りなせば布(旗)になるのです。
縦糸だけの行政の問題は昔から散々言われていますが、代わり映えしないのは?
さて、労働人口減少問題では、技術革新を取り入れたいですね。
AI化する事で、知識系の人材の多くは他の労働に回せそうです。
ロボット化も適材適所の形態を発展させれば、単純作業の労働者の多くを他の業種に回せそうです。
岸田総理のフェイク動画がニュースで流れていましたが、最先端のCGでは、かなりリアルなようですので、そのうち、オールCGでリアルな映画が観られるのでしょうね。
最近、特に感じる事は、先端の科学や技術が加速度的に進んでいる事です。
加速度(進歩、変化)に、政治も人々も追い付けず後手後手になりつつでしょうか。
藤井聡太君が絶対に勝てないAIとか、5回転アクセルを連続で軽く跳べる美しいロボットスケーターとか・・・
人間と人工物との垣根が逆転した時、今の価値観を大きく変える時がそのうちに・・・
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外国人材とは税金や治安を原資にダンピングされた労働力。と考えれば、組織化されて、金も票もある業界団体が連れてこいと言うのは当然。一方、ダンピングの養分にされつつ、ダンピング価格と競争させられる国民の声は届くルートがない。
その結果、政府がいわゆる「民意」の実現に邁進すればするほど、国民は白けていく構造があると思っていて、それを変えるなら、選挙時だけの減税より、脱退一時金のような恒久的な搾取構造(業界団体→外国人→税金・治安→国民)を一つ一つ潰していくしかないと思います。