当市については、大きな被害は生じなかった。
しかしながら死亡者・怪我人が出ており、九州各県においては大きな規模の被害が生じている。
省庁の発表や報道の事前情報に比較すれば、軽度の被害であったという声もある。そういう所感を持つ方がいたとしても不思議ではない。ただし、私の考えとは違うということも述べさせて頂く。
今後、私たちが想定しなければならないことは、「想定外の台風が、今後も想定していかなければならない」という点だろう。いままで”想定外”とされた規模を想定していく。言葉遊びに感じる方もいるかも知れないが、これは実は難しいこと。
今までとは考え方を根本的に変えなければならない。
施設規模であったり、治水にようする事業規模であったり。そして行きつく先には「この地域の防災は諦める」という選択肢、つまり政治的なトリアージのようなものも求められてくるのではないだろうか。
全ての地域にスーパー堤防を作ることはできない。
また、低地や河川に面したところに(地価が安いからと)作られた商業区、もしくは無理に山肌を削って作った住宅地。防災に対して多額の投資金額が必要であり、かつ本人たちの自己都合で建築されている等の条件が揃う場合には、「(超々高度については)防災を断念する」選択肢も現実的には必要になるのではないだろうか。
大事なことは、「行政にも限界がある」ということ。
災害については、①自助、②共助、③公助が順番である。いきなり公助とはなれず、理由は対象範囲が広いため時間を要すること、そして行政力にも限界があるからだ。
まずもって自分で自分の身を守らねばならないのだが、この観点は住居や施設の建設についても、考え方の範囲を広げていく必要がある。
つまり、”今まで実施されてきた防災レベル”は全ての地域に実施できたとしても、「想定外の発災」を抑止できるだけの税の投資は、地形的に無理なところは断念するということだ。
私が、実際、今回の台風を経験した一人として痛感しているのは、
やはり全国的に避難所が不足したという点だ。コロナ禍という理由もあるだろうが、それだけではないように思う。
風速50mという規模になれば、耐えうる公共施設の数が限られてしまい、「(今までの)想定外の台風」となれば対処ができない。
現実的な対処方法としては、各戸で強固な民間宿泊施設(ビジネスホテルなど)を借りて頂くか、満室であれば県外に避難するぐらいしか方法がない。そこまで強固な行政施設を大量に乱造するだけの予算は、もはや地方行政にはない。または、市の税率を物凄くあげ、すべての市民に市営住宅をプレゼントするぐらいしか方法はない。無論、不可能だ。
いままで公共施設の建替えは抑圧されてきた経緯があり、一部ではリノベーションとか長寿命化計画という美名のもと、目をつぶってきた。改修して使えるものであれば良いことだが、長寿命化と言っても限界はある。改修につぐ改修を行えば永遠に使えるわけもなく、それが鉄筋コンクリート造であれ、やがて寿命は来る。
避難所として提供されている公共施設、これらを「風速50m」というレベルに引き上げ、今後はさらに強固な建築を市議としても求めていくこととしたい。ただ、取得価格は増加することは明らかで、結果的に整備できる施設数は減少してしまうのだろう。
市民に対しては、単独で避難が難しい災害弱者、独居老人などを優先して避難所を使用していくことを周知し、市民に対して自助の観点を広めていくことがさらに求められる、のだろう。・・・求められていく、のだろう。
だが、本当は「避難所の数や面積」などが、発災規模によっては市民のニーズを満たせないということは、政治家としては非常に言いたくないことなんだ。確かに行政だけでなんでもできるわけではないのだけれども、これを言ってしまうことは、政治・行政の敗北に思えてならない。
今回の規模の台風は、今後も続いていくのだろう。それは覚悟せねばならない。想定外の台風を想定し続けるということは、今までとは抜本的に考え方を変えねばならないということ。それは、非常に重たい決断を強いるものになるように思う。
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コメント (頂いたご意見は、他SNSに比較し最優先で目を通しております。)
居住危険地域の家屋、使用危険地域の施設は、思い切って放棄する
そのくらいの覚悟と対応が必要かも知れません。
「放棄する」と言う防災です。
小坪氏の仰る「地域によっては防災を諦める」「トリアージ」ですね。
公助が無くても自力での、個人での「トリアージ」「放棄」、そのくらいの覚悟と心意気が必要なのだ思います。
が、我が家の場合も現実的にはかなり難しいですが・・・
ただ、即時のトリアージ・放棄が難しくても、長期計画として実行することは可能だと思います。
いつかは、建て替える必要や、防災対応で無くても現状の建築物は「放棄(改修・新築)」しなくてはならない時期が来るからです。
その時に、「同じ場所に新築しない」と言う選択は必要でありたいせつなことだと思います。
居住危険地域の新規開発については、国や自治体の強い指導・規制が必要だと思います。
台風は事前予測が可能なので
「疎開」と言う言葉が適切かどうかはわかりませんが、「台風疎開」のような一時的な移動は
労力や費用もかかることではありますが、必要に思います。
台風通過時には無事でも、その後のインフラ復旧までの不自由さも「疎開」で対応出来ます。
ホテル・旅館・実家・親戚宅・友人宅・企業内での宿泊施設や研修施設等、事前に想定し、アイデアを出し合えばかなりの対応が出来るのではないかと思います。
コロナ対応で、国や自治体も「避難所だけではなく・・・・」とアナウンスをしておられますが
もしコロナが治まって、コロナ対応をする必要が無くなっても
「台風疎開」の発想は必要に思います。
個人個人が
「どこに疎開するのか」「この場所に住み続けても良いのか」「リフォーム時、新築時には、この場所の建物に資金を投入しても良いのか」
考えておくことはたいせつに思います。
我が家も考えなくてはなりません。
以上 文責 BLACK
「台風疎開」ですか。
地域や建屋等検討するべき点は多々ありますが着眼点としていいと思います。
本当の意味での「大事なものを生かすために切り捨てる」という「決断」。
これがしっかりできるかそうでないかが
「政治家」と「職業が議員というだけの人」の違いの一つではないかと思います。
平成から令和にかけては、自然災害の大きさが際立っているように思えます。
まず、今まで発生しなかった。線上降雨帯なるもの。台風は過ぎ去りますが、これは留まり続ける。
まさにゲリラ雷雨を考えていかねばならないし、インフラもそのような仕様にしていかねばならない。
考えれば考える程、お仕事一杯ありますよね。
エネルギーフォーラム
@energyforum_
20時間
茨城県笠間市で、中国系の開発業者が地権者らの反対運動をよそに、発破で山を切り崩して1万kWの巨大メガソーラーを造成中。貴重な自然を破壊して、これでSDGsと言えるのでしょうか?
鈎 裕之
@ELECTRICDADDY
17時間
この山を削って敷設されるメガソ-ラー(茨城県笠間市来栖)の事業者は、中国に拠点をおくカナディアン・ソーラーが母体の外資系企業かと
静岡県函南町田代にある同社の高台ソーラーの敷地が斜面下の住宅至近にまで土砂崩れを起こしたのは昨年の話です
(以上、画像あり)
(自治体によっては非常に情弱で無防備なところがありますね。なんでも他力本願で申し訳ありませんが、小坪先生の産廃問題の取り組みに加えて、ソーラーパネル乱開発に対する規制強化や基準設定など横展開で問題共有などはどうでしょうか。特亜のろくでもない企業に日本の国土を食い荒らされるなどまったくもって許せません。Wikipedia「日本の太陽光発電所」によると、「謳い文句は環境を壊さない自然に優しいと言っているが、雑木林や山林を切り開いて施設を建設している自治体がある。自然を壊さないと言いながら破壊活動をしている矛盾がある。 」とあり、また別のWikipediaの記事「ソーラーパネル」によると、天災による問題点として、以下があります。
〇暑い日にはソーラーパネルの発電効率が悪くなる(低下する)
〇土砂崩れなど土砂災害の恐れがある「土砂災害警戒区域」内で、ソーラーパネル設置に当たって〇無許可で掘削が行われ、社会問題化している例がある。
茨城県常総市内の鬼怒川では、2015年9月の台風18号の影響による豪雨災害で堤防が越水したが、該当する堤防の越水箇所が、ソーラーパネルの設置工事によって高さが約2mに亘り削られていたことが判明している。
〇台風や竜巻でソーラーパネルが吹き飛ばされ、付近の家に飛散被害を与えてしまう。
〇機器や配線が損傷していた場合、漏電の可能性がある。
〇地震や人的に破壊されたパネル、接続箱、パワーコンディショナなどの機器を触れることによる感電被害。(太陽光に当たっている限り、発電するため)
〇地震や経年劣化によるパネルや架台のねじのゆるみ、変形や破損による修復費用の負担。)
さらには、2017年に生産したソーラーパネルの出荷量で比較した上位10社:
1.ジンコーソーラー(中国)
2.トリナ―ソーラー(中国)
3.JAソーラー(中国)
4.カナディアン・ソーラー(中国・カナダ)
5.ハンファQセルズ(韓国)
6.GCLシステムインテグレーション(中国)
7.LONGI(中国)
8.REISENエナジー(中国)
9.SHUNFEN (中国)
10.インリーグリーンエナジー(中国)
(もう各地でがんがん住民訴訟するなど視野に入れた方がいいのでは。見て見ないふりしても問題は解決しませんよ。)
渡邉哲也
@daitojimari
菅さんが総理になったら、安倍さんほど優しくないと思う。一代でのした方なので他に気を遣う必要がないですし、邪魔ものとライバルは潰すでしょうね。
午後1:20 · 2020年9月8日
(もうこうなったら菅次期総理を全力で応援します。ただし何かの拍子で足をすくわれたり、周囲の人間が裏切ったりして変な方向に行かないよう、しっかり見張らねば。日本の国益最優先の施策を期待するので、これからもせっせと官邸メールします。)
やつら、足元侵食してたんですね。
伊豆の方は、増すゴミ報道もあって知ってはいたんですが。
大井川じゃ、ちゃぶ台返しできそうもないし、K団連のお膝元なんで、どうぞどうぞなのが悔しいですな。
小坪先生のような方が居れば・・・
静六Jrではな・・・・
長崎・鹿児島の電力復旧が9日以降とのニュースを読みました。
この気温なのでとても心配です。
真夏並みの気温下での台風は、台風が過ぎ去ってからも(が?)サバイバルです。
以上 文責 BLACK
切り捨てありきはおかしいと思います。
政治家だからこそ、切り捨てではなく救済を追求してほしい。
経世済民のために。
少なくとも国に財源の制約はありません。
国が保証すればお金を理由に諦める必要はありません。
お金を理由に国民を切り捨てることはしないでほしい。
地方の予算制約は国が解決できるはずです。
1952年以前の台風のデータ、1975年以前の雨のデータは公表せず、
役人が「観測史上一位」だの「命を守る行動」だの「最大級の警戒」だの具体性の無いことを言ってます。
データを隠して国民を脅すのは、予算を多く貰うためとの事。
公開後2週間で消されます、お早めに
>【DHC】2020/9/4(金) 武田邦彦×須田慎一郎×居島一平【虎ノ門ニュース】 – YouTube
>00:41:30 台風10号 特別警報級に発達か 最大級の警戒呼び掛け
ttps://www.youtube.com/watch?v=tcNgOHFuwGY
小坪先生
九州,大変ですね.
これまで災害となると,自衛隊が派遣され活躍してきました.
国民を守るという一点において,災害に強い,戦に強い軍事設備として箱ものを作ることは時代のニーズに合っているのでは?とも考えます.
ただ,先生ご懸念の規模が大きすぎる話ではあります.
難しいですね.議論に厚みと国民の意識向上が必要そうです.