消費者法ニュース寄稿(平成31年2月28日) ― 図解資料
情報弱者を煽動する、偏向報道に潜む危険
明石市長・暴言騒動の真実
なぜ「言葉のプロ」が、暴言を吐いたのか
明石市長・泉房穂氏(当時)は、弁護士としての法知識、NHKディレクターとしての言葉の重み、国会議員としての政治経験を併せ持つ人物だった。にもかかわらず、市職員を怒鳴りつける発言が報じられ、市長は辞職に至った。
弁護士
元NHKディレクター
元衆議院議員(民主党)
「言葉の重みを知る者が、なぜ?」
― この違和感こそが、本稿の出発点である。
― この違和感こそが、本稿の出発点である。
複数の情報源を持つ層
新聞・ネットなど複数ルートで背景を知り、市長辞職の是非について意見が分かれた
既存メディアのみの層
切り取られた発言のみに接し、反応が大きく偏った
死亡事故が起きた道路、7年間の停滞
暴言の舞台は、国道2号(JR明石駅付近)の拡幅事業。慢性的な渋滞に加え、死亡事故を含む交通事故が多発していた交差点である。
2010年度
国の直轄事業として交通安全対策が開始
2012年度
国の委託を受けた明石市が用地買収・立ち退き交渉を開始
2010→17年
用地取得が7年間停滞。
担当係長が3回交代
担当係長が3回交代
2017.6.14
市長、事態を知り激怒。
問題の発言
問題の発言
約1年半後
市長選直前というタイミングで突然報道
周辺情報を知った上で発言を聞くと、印象は全く変わる
報道された部分/されなかった部分
初期報道で流れたのは、激昂した部分だけだった。しかしその直後に続いた発言は、ほとんど報じられていない。
報道された部分
「7年間、何しとってん」
「あほちゃうか」
「あほちゃうか」
「きょう火つけてこい。燃やしてしまえ」
この部分のみが切り取られ、独り歩きした
報道されなかった部分
「私が行って土下座でもしますわ。市民の安全のためやろ」
「ここは人が死にました。だから拡幅するんでしょ」
激昂の直後、職員に説明を尽くすよう指示し、自ら動く姿勢を示していた
4つの立場から見た「適格性」
暴言そのものを擁護するつもりはない。ただし、どの立場で問うかによって答えは変わる。
要検討
弁護士として
品格を理由とした懲戒請求であれば、妥当な面もあるかもしれない
要検討
元NHKディレクターとして
番組を作る立場としては不適格とされ、業界から排除されうる
要検討
国会議員としてなら
立法府の場でこの発言が必要だったかは疑わしい
辞職不要
市長としては
市民の生命を預かる責任者として、部下を叱咤する権限は公選法が与えた職責の一部である
事実は、どう歪められるか
1
事実・発言全体
→
2
トリミング
(一部を伏せる・強調)
→
3
情報弱者への
一方的な印象操作
プロフェッショナル同士(法廷・議場)であれば通用する技術も、知識のない一般読者に対して無自覚に用いれば、モラルの問題となる。発言から約1年半後、市長選直前という報道タイミングにも強い違和感がある。
気づかぬまま、被害者が加害者になる連鎖
偏向報道
切り取られた発言が拡散
→
情報弱者の誤解
複数情報源を持たず、一方的に受け取る
→
攻撃(加害者化)
良心に基づき市長を非難。気づかぬまま加害者に
→
辞職
市長が職を追われる
→
安全対策の遅延
道路の危険除去が停滞
↻ 最終的に不利益を受けるのは、他ならぬ地域住民自身
情報弱者は、多くの場合、生活弱者と重なっている。
複数の情報源にアクセスできる者だけが、実態を多角的に知ることができる。
複数の情報源にアクセスできる者だけが、実態を多角的に知ることができる。
情報格差が、公益を受け取る権利そのものの格差になっていないか ― 偏向報道が生活弱者に与える被害は、強く問われるべきである。
