平成25年度3月議会(3)

 次の質問に移ります。最後の質問です。国民健康保険、児童手当、児童扶養手当、介護保険について。これは私が一番最初の一般質問に立たせて頂いたとき、昨年6月議会で触れさせて頂きました。国民健康保険を含む、これらの様々な福祉サービスが民主党政権より大きく加入要件が緩和され、拡大された。これは悪用の危険性があるのではないか、またあった場合のトレーサビリティーが殆どない、そういう質問をさせて頂いたところ、確かに怖いよねという話を、実は副市長からも頂いて、自分でも頑張ろうと思って、いろいろと勉強してきた次第です。それで、その後も様々、自分なりに動いてきたんですが、残念ながら、詐欺の事件が発生しまして、ニュースに出ております。ニュースの一部を読ませて頂きます。

 産経新聞2013年2月24日、タイトルは中国人に詐取される日本の国民健康保険、モラルなんてメじゃない。その記事の文中を読みます。中国人一族は、チェック態勢の不備を突き、公金を食い物にした。加入者が海外で支払った医療費の一部が給付される海外療養費支給制度を悪用し、療養費をだまし取った事件。2年近くの間に9件の虚偽申請、一族以外の中国人による療養費の申請が相次いでいたが、事件発覚以降は、ぴたりと止んだ。つまり他の部分も含めて海外医療費が沢山申請されていたけれども、事件が報道されたら、これがぴたりとなくなった。殆どのものが詐欺だったんじゃないかという捜査関係者からの指摘が出ております。

 これを受けまして、市長に質問でございます。かわいそうな人、困っている人、この人たちを救済していくのが福祉の目的であり、またセーフティネットとしての自治体、政治のあり様だと私は思います。しかし、為替の問題等々があり、日本円が強い中、これがややもすれば、行き過ぎるとモラルを乗り越えてしまい、詐欺、悪用等になり、本末転倒になってしまうこともある。場合によっては、マフィアや暴力団等の資金源に、この場合が実際そうなんですけど、なる可能性もある。そういう中で、助けるべきは助け、そしてしっかりと助けていきながら、同様に、脇を締めるところは脇を締めていくべきじゃないかと、私は思うんですが、ちゃんと脇を締めるところは、しっかりと締めて、福祉行政を今後されていくと思うんですが、市長のご見解をお伺いします。

○議長 城戸好光君

 八並市長。

○市長 八並康一君

 国民健康保険に関係をする中国の方との、いろんな日本とのトラブル等々を踏まえましてのご質問でございます。

 日本という国は、古来から中国とかいろんな大陸との付き合いがございまして、また戦前から戦中、戦後にかけて、相当に外国籍を持った方々が日本の中でも生活をしてきております。それ以外に、現在は、相当に沢山の国から日本に来ておられます。私どもとしては、横文字を使って恐縮なんですが、昔からずっとおられる方をオールドカマー、旧来からお見えになっている方、それから新しく来ている方をニューカマーというふうに言いますけど、その中でも、様々な問題を起こす方々がおられます。部屋がらみの件もありますし、それから特に中国のある地域、場所は申し上げませんけども、そこから密入国をしてきて、様々な問題を醸し出していることもございます。それから日本に来たなかで、こういう法律ができて、それをいかに悪用するかということで、動いている方々もおられます。そのことについては、国自体もきっちり脇を締めていきたいと努力されていますけど、地方自治体としても、そのことについて、しっかり、そういうことが起きないように、ちゃんとチェックをしていきたいと思いますし、脇を締めてまいりたいと思っています。

 なかなか難しい課題です。これからも、もっともっと外国の方が来られます。そういうなかで、本当に苦しんでいる方々、日本のなかで懸命に頑張って仕事をし、生活をしていこうという方々が沢山おられます。そういう方々に対しては、しっかりご支援申し上げたいと思いますけど、不正なことを行う方々については、厳しく対応するのが私どもの責務だと思っています。その面で努力を続けていきたいと思っています。

○議長 城戸好光君

 小坪議員。

○1番 小坪慎也君

 6月議会の少し振り返りになりますが、時間も迫ってきたので、少しまとめに入りたいと思います。この内容は、民主党政権時代、小宮山洋子大臣の省令で始まりました。これの問題点の1つは、国会の議決を経ていないことです。行政間の話なんです。厚生大臣から厚生労働省直ですから、議会は必要ない。何が書き換えられたかというと、滞在要件、これは今まで1年で国保に入れたんですが、これが3ヵ月に引き下げられました。1年と言いますのは、日本は、査証、ビザが24種類ありますが、相当に厳しいビザでございます。そう簡単には下りません。

 私は外国人が国保に入って悪いとは言っておりません。例えばイギリス等、転出の手続きや留学の時とかは取らなければなりませんので、国保の対象外になりますから、日本人も留学等の場合、海外の公的保険に加入します。ですが、どこも敷居が高いです。それはそうです、血税で運営されている大事な、その国の保険を、無理を言って入れて頂くわけですから。これを3ヵ月に引き下げたところ、どうなったか。24種類のうち、確か20種類が全てOKになってしまった。また3ヵ月以上居るんじゃないかという人も、みなしで国保に入れるようになった。これが1点目になります。

 当然、国保は財源も条例も行橋市が持っておりますから、県国の補助金はありますが、行橋市の税金から出ます。問題になるのは、もう1つ併せて改正があったことです。この省令と併せてあったのは、外国人登録法の廃止であります。今まで再入国手続きというのがありましたが、これは、また日本に来るよという形で手続きをしていけば、国保だったり子ども手当だったり、様々な行政上の手続きを何度も何度も、解除、入る、解除、入るとしなくて良いように、再入国の手続きを取っておけば、福祉が利きっ放しになるというものです。民主党政権で、なぜかこれが5年間に延長されました。5年です。市長、こういうことなんです。

 例えば半年のビザを持った外国の方が来ました。そして取りあえず住所の実態を何とか偽装して国保に入りました。入ってしまえば、仮に2泊3日しかいなかったとしても、また来るよというのを5年間書き続ければ、その方がわずか2泊3日しか行橋にいなかったとしても、5年間、私たちが彼らの医療費を払うんです。いま事件でも触れさせて頂きましたように、国民健康保険は、本当に先進的な優れた制度でして、私や市長や副市長が海外にビジネスで、もしくは遊びで旅行したときに、現地で怪我をしたときに、実費を納めておけば、当然、様々な制約や、お金の上がり下がりはあるんですが、実費で自治体から還付手続きができるようになっているんです。海外に出ても、私たちは日本の国民健康保険で保護される。ただし、再入国手続きを取った外国人はどうなるか。国民健康保険を運営する行橋市から見て、海外、例えば半年のビザを取った中国人が2泊3日、行橋市に逗留し、5年間、再入国の手続きを取ったら、実際は5年間中国に住んでいて、行橋市に来たのは仮に2泊3日だとしても、5年間、その中国人の医療費を、私たち行橋市民が払わなければいけない。

 またあまつさえ、その中には高額医療費がありますから、この事件で問題になったのは、診断書自体を偽装された場合です。行橋の職員は、これは先日、国会にも行かせて頂いたんですけど、市の職員は世界各国のレセプトや行政書類を見れるようにはなっておりませんし、世界中の言語に堪能なことという条件で採用されたわけでもありませんから、分からない。だから国は都合の良いものですから、自治体でしっかり見なさいとルールで書いてある。仮に海外の言語が分かったとしても、この事件の場合は、まさにそうなんですが、医療関係者が間に入っておりますので、書類は全て正式なものだったそうです。正式な書類に正式な印鑑をつかれて、そして外国できたときに、自治体で見破るのは、ほとんど不可能に近いんです。ですから実態の氷山がどれくらいの規模かも分からない。1件見つけたら、この事件の場合、ほとんどゼロになってしまった。こういうことが実際に起きている。

 もう残り5分ですから、少しだけ思いを語らせて下さい。私が6月の議会で同じ話をしました。一般質問が終わって、様々な部長さんや、実は副市長の言葉が、ちょっと嬉しかったんですが、頑張れよという話で、市長はこう言われたんです。北九州市や福岡市、また近隣自治体と調整し、そもそもこれは国のことですから。本当はそのとき、少し悔しかったんです。問題意識を持ったんだったら、これはまずいぞと、どれくらいやられるか分からない。行橋は田舎だから、そうやられないかもしれないけど、そもそも把握すら困難じゃないかと。だから私は市長の言う通りにしたんです。その後に、いろんな所にお願いして、福岡の市議さんに行橋市役所に来て頂いて、その際は市長に許可を取って、関係する所轄の部長と課長を呼んで頂いて会議を開かせて頂いて、次は北九州市に行って、国保の担当課長にアポを取って、どうなんだ、どうなんだと教えて頂いて、その後は、これまた私用ですけど東京都まで行って、たまたま知り合いだった東京都の厚生委員会の委員長に会って、本当に回ってきたんです。

 自分で、もう言ってしまったから、気付いてしまったから、悪いですよねと、問題ですよねと言ったから、本当は少し悔しかったんですけど、あの人がやってくれないとか、この人がやってくれないじゃなくて、僕がやりますと言って、この場に立たせてもらっているから、正直、きついときや怖いこともあったけれども、自分でやってみようと思ったんです。実際、報道にもう載りました。事件も発覚しています。ここから先は、市長に、例えば首長会とかありますので、しっかりと問題提起をして、本問題を解決して頂きたいと思っております。

 また併せて、私は、これは関係するのは国民健康保険、児童扶養手当、いわゆる寡婦手当、介護保険、市議になるまで、全くの門外漢でした、こうやって今この場ですらすらと原稿も使わずに喋れるのは、担当の部長や、ここにおられる課長や白川部長、進谷部長、木野課長、皆さんに手取り足取り教えて頂いたからです。行橋市だったら、きっとやっていけると思います。後は市長、よろしくお願いします。

○議長 城戸好光君

 八並市長。

○市長 八並康一君

 小坪議員のご質問ですが、一応原則的なことを、まずお答え申し上げたいと思います。先程ご指摘がございました。昨年の外国人登録法の廃止、あるいは住民基本台帳の一部改正に伴いまして、国民健康保険の外国人の社会保障制度の加入要件が緩和されました。ご指摘のとおりです。この影響から、国民健康保険について、本来、認められない医療行為の給付が発生する恐れがあるということのご指摘を頂きました。

 制度において受給資格を有する者は、国民・外国人を問わず、総合扶助の精神に則りまして、公平な取り扱いを受けることになっておりますが、給付にあたっては、資格要件とか申請内容が適正であるか、どういうふうに把握するかというのが非常に問題です。しかしそれが前提でございます。

 特に国民健康保険の場合は、市内の居住実態の有無とか、あるいは海外で療養給付を受けた場合の償還払いの申請書類の審査など、担当職員間でチェック体制の向上に努めてまいりたいと思いますし、現在も努めています。今後も関係各課との連携をしっかり図って、給付の適正化に努めてまいりたいと思いますが、これは国民健康保険そのものも、これから先、大きな課題になります。どこの市町村も頭を抱えています。国民健康保険、あるいは先程おっしゃいました様々な手当の問題も含めて、国に対する物申していきたいと思いますし、県に対してもしっかりと物申してまいりたいと思っています。

○議長 城戸好光君

 小坪議員。

○1番 小坪慎也君

 間に合うかどうか分からないんですが、居所不明者の調査結果について、お伺いします。また調査結果を受けて対応済の案件の・・(時間切れ)

 以上です。ありがとうございました。

○議長 城戸好光君

 以上で本日の日程を終了し、明日引き続き、一般事務に関する質問を行うことにいたします。

 以上で本日の日程は全て終了いたしました。

 本日の会議は、これをもって散会いたします。

散会 15時23分

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