[執筆日:H12/5/6][病理:詭弁]
伝統的にサヨクが得意とするデマゴーグの一つに、「特定の事例のみをデフォルメ&曲解し、戦前罵倒に結び付けて悪宣伝というやり口」がある。読者諸氏の中にも、そういえば新聞やテレビニュースにそんなのがあったなと思いあたる人もあろう。
例えば、森総理による「天皇を中心とした神の国」という言葉へのサヨクによるリアクション。それは↓これだ。
ア: 戦前、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから戦争をした。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは間違っている。シンリャクをされたキンリンショコクへの配慮が不足した言い草だ。
物事の一面のみをデフォルメして悪意ある解釈をした上、悪宣伝。いやはや、いつものことながら馬鹿かいな。こんなマヌケな宣伝に騙される人間にも呆れ果てる。
いうまでもないが、この言い草は前提と論法のそれぞれが完膚なきほどに間違えている。以下にどこが間違えているのかを列記する。
間違い1:戦争の要因が間違っている。
大東亜戦争は「日本は天皇を中心とした神の国」という考えによっておこったものではない。欧米列強や支那による侵略と外圧により発生したものだ。
大東亜戦争の原因を日本内部にのみ矮小化する占領軍のプロパを今なお盲信する人は多い。
間違い2:戦争の結果の評価が一面的
また戦争の結果についても例によって一面的だ。むしろア:は↓こういう論法になるはずだ。
イ: 戦前、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから戦争をし何百年も続いた欧米列強による東亜諸国の植民地支配が終焉した。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
間違い3:「日本は天皇を中心とした神の国」という認識を、戦前のみにおける認識だと誤解している点が間違い
「日本は天皇を中心とした神の国」という認識は、戦前のみにおける認識ではない。建国以来続く日本における最も伝統的な考えである。ア:は、戦前のみにおける認識だと誤解している点が間違っているのだ。
過去それぞれの時代における皇室の価値について、ア:を真似て以下に記す。
ウ: 明治維新前に、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから明治維新に成功し、外国の植民地となることを回避できた。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
エ: 徳川時代、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから鎖国政策により、外国の植民地となることを回避できた。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
オ: 鎌倉時代、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから朝廷と武家の権力権威分離体制が生まれ、それ以降独裁者の台頭は抑止されるに至った。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
カ: 大和朝廷時代、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから公地公民制が行われ私地(荘園)から私民(奴隷)が解放された。(大化の改新のこと)→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
キ: 聖徳太子の時代、「日本は天皇を中心とした神の国」という考えがあった。→そういう考えがあったから日本は支那による冊封体制から離脱し独立国となることができた。→だから「天皇を中心とした神の国」という考えは正しい。
ク: 大東亜戦争終戦後、「日本は天皇を中心とした国」という考えがあった。→そういう考えがあったからドイツのように祖国分割をされることもなく独立国であり続け、更に劇的な復興することができた。→だから「天皇を中心とした国」という考えは正しい。
物事であろうが人物であろうが、物事の正否については様々な側面から評価しなければならない。「日本は天皇を中心とした神の国」という考えであっても同様だ。言うまでもないことだが。例えば↑こういう観点もありうるのだ。
ただ、サヨクにこういう観点を提起したところで全く無意味である。ひたすら思考停止して、自分内部にある思い込みの観点に逃避する。
間違い4:国柄を単純に戦争要因と結び付ける発想が間違い
ア:を正論だと強弁するのなら、↓こういう言い草も正論となってしまう。
ケ: アメリカには、「アメリカは民主主義の国」という考えがある。→そういう考えがあったからハワイなどアメリカが非民主的とみなした国を相手に戦争をし植民地とし原子爆弾や憲法を投下した。→だから「民主主義の国」という考えは間違っている。アメリカは「民主主義の国」などという言い草をやめ、近隣諸国に配慮をするべきだ。
コ: 支那には、「支那は社会主義の国」という考えがある。→そういう考えがあったから非社会主義国チベットなどに戦争をし植民地とした。→だから「社会主義の国」という考えは間違っている。近隣諸国への配慮が不足している。支那は「社会主義の国」などという言い草をやめ、近隣諸国に配慮をするべきだ。
サ: 欧米諸国には、「神を中心としたキリスト教の国」という考えがある。→そういう考えがあったから全世界の非キリスト教国を侵略し何百年も植民地とした。→だから「神を中心としたキリスト教の国」という考えは間違っている。欧米諸国は「キリスト教の国」などという言い草をやめ、近隣諸国に配慮をするべきだ。
シ: 中東諸国には、「神を中心としたイスラム教の国」という考えがある。→そういう考えがあったから非イスラム教国との戦争が絶えない。→だから「神を中心としたイスラムの国」という考えは間違っている。中東諸国は「イスラムの国」などという言い草をやめ、非イスラム諸国に配慮をするべきだ。
ア:及び上記ケ:?シ:のどこが間違っているのか。それは、国柄を単純に戦争要因に結び付けている点だ。国柄ほど、様々な影響を及ぼす事柄はない。それを戦争のみに結び付けて、悪しきざまに喧伝する発想が底無しに腐っているのだ。
国柄を戦争のみに結び付けて悪宣伝を行う手法。これは、国柄(=文化)を破壊したがる文化大革命賛美日本人、つまりサヨクが得意とする手法である。底無しに思い上がった者の発想であり、革命家の手法である。自分様の発想に、伝統的な価値を凌駕した偉大な価値があると盲信した者の考えである。
「日本は自分様を中心とした自分様の国」という発想だ。
ア:を主張するのは、サヨクのみではない。しかし、ア:を盲信しているのなら、いくぶんかサヨク方向に退化していると言わざるえない。自分様を中心とした自分様の国という方向に。
真の弾圧迫害戦争とは、ア:及び上記ケ:?シ:の発想から生まれる。異文化を特定の側面から断罪する発想だ。
ぬけぬけとア:を主張する全世界侵略植民地搾取国家オランダの元軍人が新聞に掲載されていた。オランダ人が人種差別主義者なのは先刻承知だ。だから全世界侵略植民地搾取の歴史をなんらかえりみず、ぬけぬけとア:を主張できる。ア:が正論ならサ:も正論になるはずだ。
ただ、そのオランダ人以上に腐っているのは、ア:を主張し自国への差別感場熟成を煽る日本人(サヨク)である。
そういったサヨクの言説に流される政治家もなさけない。ただ民主制国家では政治家は人気商売だ。マスコミの攻撃は何より恐い。その点で政治家にも酌量の余地がある。
正しいことは正々堂々と理路整然と主張をするべきなのだ。石原都知事のように。マスコミの報道権力を前にしてもなんら臆する事無く。そうすれば国民は理解するはずだ。
逆にびくびく臆したり撤回したりすれば、ますますサヨクはつけ入るだろう。
特定の事例のみをデフォルメ&曲解し、戦前罵倒に結び付けて悪宣伝というサヨクおなじみのやり口。こういったやり口は、思想にありがちな狂気以前に底無しの思い上がりに満ち満ちている。日本軍兵士など戦前で苦労なされた多くの人々に対する思い上がりに。狂気である以前に、思い上がりという腐臭に満ちている。
結局、サヨクは根性が腐っているから、政治宣伝のためならデフォルメ&歪曲OKになってしまうわけだ。